それを誤魔化すようにーー普段からけっして丁寧ではないがーースニーカーを雑に脱ぎ、廊下を駆け出す。
「タ、タオル取ってくるから! リビングの床の部分に座ってて」
白い靴下が少し濡れていたが気に留めないーー気に留められない。
背後から「そんなに慌てると怪我するぞ」と勇の声がしたが、それさえ胸の高鳴りを加速させる。
優作は熱くなる頬に違和感をおぼえながらも、しんとした廊下を早足で歩いた。
優作が風呂場の脱衣場からバスタオルを二枚持ってくると、リビングの床に勇が座っていた。フローリングを避けて床板にあぐらを掻いている。
明かりのない薄暗い中で勇が前髪をかき上げていた。
はっきりとは見えないが、一旦収まっていた優作の鼓動がまたドキドキと早く鳴りだす。
それを振り払うように優作はタオルを一枚取り、勇に手渡した。
「はい、タオル。そんな薄暗いまま座ってないで、勝手に明かりを点けてくれてもよかったのに。何度も来たことある僕の家なんだからさ」
「そういうわけにはいかないだろう。一応断りはいれねぇとな。それに、」
勇が言いかけた時、優作が「電気点けるよ」とのんびりした声を発し、一歩踏み出した。
「お前、危ないから動くな。ちゃんと見えてんのか!?」
勇が、優作の声の方を向いて素早く言ったーーその時。
「大丈夫だって……、うわぁー!」
「のわっっ!?」
電気が点き辺りがパッと明るくなった瞬間。優作がなにかに蹴躓き、勇の方に倒れ込んできた。
勇が支えようと咄嗟に両腕を伸ばして優作の身体を掴んだが勢いづき、そのまま地面に倒れ込む。
「……あ、危なかったぁ。怪我はないかい?」
ソファを背に寄りかかるように座り込む優作が、安堵したのかへニャリと顔全体を崩して微笑む。額や頬には、先ほどの焦りのせいか雨粒なのか、滴が浮かんでいる。
「俺は大丈夫だが、優作こそ足挫いてねえか」
「僕は平気だよ。心配してくれてありがとう」
優作が目を細め、優しそうな細長い眉を下げて微笑む。
「タ、タオル取ってくるから! リビングの床の部分に座ってて」
白い靴下が少し濡れていたが気に留めないーー気に留められない。
背後から「そんなに慌てると怪我するぞ」と勇の声がしたが、それさえ胸の高鳴りを加速させる。
優作は熱くなる頬に違和感をおぼえながらも、しんとした廊下を早足で歩いた。
優作が風呂場の脱衣場からバスタオルを二枚持ってくると、リビングの床に勇が座っていた。フローリングを避けて床板にあぐらを掻いている。
明かりのない薄暗い中で勇が前髪をかき上げていた。
はっきりとは見えないが、一旦収まっていた優作の鼓動がまたドキドキと早く鳴りだす。
それを振り払うように優作はタオルを一枚取り、勇に手渡した。
「はい、タオル。そんな薄暗いまま座ってないで、勝手に明かりを点けてくれてもよかったのに。何度も来たことある僕の家なんだからさ」
「そういうわけにはいかないだろう。一応断りはいれねぇとな。それに、」
勇が言いかけた時、優作が「電気点けるよ」とのんびりした声を発し、一歩踏み出した。
「お前、危ないから動くな。ちゃんと見えてんのか!?」
勇が、優作の声の方を向いて素早く言ったーーその時。
「大丈夫だって……、うわぁー!」
「のわっっ!?」
電気が点き辺りがパッと明るくなった瞬間。優作がなにかに蹴躓き、勇の方に倒れ込んできた。
勇が支えようと咄嗟に両腕を伸ばして優作の身体を掴んだが勢いづき、そのまま地面に倒れ込む。
「……あ、危なかったぁ。怪我はないかい?」
ソファを背に寄りかかるように座り込む優作が、安堵したのかへニャリと顔全体を崩して微笑む。額や頬には、先ほどの焦りのせいか雨粒なのか、滴が浮かんでいる。
「俺は大丈夫だが、優作こそ足挫いてねえか」
「僕は平気だよ。心配してくれてありがとう」
優作が目を細め、優しそうな細長い眉を下げて微笑む。
