洗い物を片付けて手を洗い、リビングでふたり向かい合って座った。
俺は小さく息を吐き出し、話し出した。
「俺はね、本当はアルファに生まれるはずだったんだ」
「アルファに…?」
「うん。そうだよ。父親がアルファで母親がオメガだったからね。ほら、オメガは相手の第二次生を継ぐ子を産もうとするって言われてるでしょう?だから、俺はアルファに生まれるって言われてたんだ」
それから、俺は過去を語った。
***
「とあ、テストを出せ」
中学1年生の時の話だ。
家に帰れば、必ず父親が玄関に堂々と立っていた。
数日前に定期テストが行われて、俺は結果を見せろと言われたんだ。
素直に結果を出した。
国語100点、数学100点、理科100点、社会100点。
そこまではよかった。
しかし、問題は英語の点数だった。
98点、おそらくその点数を見て父親は俺を殴った。
二度三度何度も殴られて俺の顔を腫れた。
声を上げることもかなわない。
奥には母さんが立っていたけど、なにもせずリビングに戻っていく。
この家に俺の味方なんてひとりもいなかった。
「アルファは全てが完璧でなくてはならない。お前は品性のかけらのないオメガにはなってはいけない。いつも言っているな?」
「はい、お父様…。申し訳ありませんでした」
父親は俺を冷たく見下し、一言だけ言った。
「次はない」
そうしてリビングに戻って行った。
俺はアルファに生まれると言われていたから、オメガに生まれた俺を許せなかったんだろう。
だから俺はアルファでいなくちゃいけない。
オメガはこの世界では“生きているだけで人を惑わす悪魔”であるのだから。
それから1週間後、やっと顔の腫れがひいた。
いつもの生活に戻っていた。
でも、日常はいとも簡単に崩れる。
俺は放課後にアルファの後輩に呼び出された。
いつも仲良くしてくれている子だから断らなかった。
俺は呼び出された教室に行って扉を開いた。
「ごめん、遅れちゃった。って…先輩もいたんですね」
教室の中には既に、後輩くんがよくつるんでいたアルファの先輩方が2人いた。
俺は気軽に声をかける。
だけど次の瞬間、俺はいつのまにか横に来ていた先輩に押さえつけられた。
先輩とは体格がまるで違う。
だから、力で敵うはずかなかった。
「な、なにするんですか…!?」
「しー。ちょっと黙ってな」
俺が言葉を続けようとすると、もうひとりの先輩が言った。
「お前、オメガなんだってな?」
「っ…!?」
俺は息を呑んだ。
なんで、バレたんだ。どうして。
「その反応、やっぱそうなのか。ならさ、俺らの相手しろよ」
サーッと血の気がひいた。
“相手”それがなにを意味するのかなんてわかる。
俺は精一杯の抵抗をした。
「い、いやだっ…!助けて…!!」
「助けなんて来ねーよ。第一、お前がオメガなのが悪いんだろうが」
その言葉に俺は固まってしまった。
オメガだから、なにもかも仕方ないで片付けられるのか。
そう思ったら苦しくて仕方がなかった。
アルファの先輩たちは固まってしまった隙を逃がさず。
俺はアルファたちに襲われた。
これがアルファを嫌いになった理由だった。
俺は小さく息を吐き出し、話し出した。
「俺はね、本当はアルファに生まれるはずだったんだ」
「アルファに…?」
「うん。そうだよ。父親がアルファで母親がオメガだったからね。ほら、オメガは相手の第二次生を継ぐ子を産もうとするって言われてるでしょう?だから、俺はアルファに生まれるって言われてたんだ」
それから、俺は過去を語った。
***
「とあ、テストを出せ」
中学1年生の時の話だ。
家に帰れば、必ず父親が玄関に堂々と立っていた。
数日前に定期テストが行われて、俺は結果を見せろと言われたんだ。
素直に結果を出した。
国語100点、数学100点、理科100点、社会100点。
そこまではよかった。
しかし、問題は英語の点数だった。
98点、おそらくその点数を見て父親は俺を殴った。
二度三度何度も殴られて俺の顔を腫れた。
声を上げることもかなわない。
奥には母さんが立っていたけど、なにもせずリビングに戻っていく。
この家に俺の味方なんてひとりもいなかった。
「アルファは全てが完璧でなくてはならない。お前は品性のかけらのないオメガにはなってはいけない。いつも言っているな?」
「はい、お父様…。申し訳ありませんでした」
父親は俺を冷たく見下し、一言だけ言った。
「次はない」
そうしてリビングに戻って行った。
俺はアルファに生まれると言われていたから、オメガに生まれた俺を許せなかったんだろう。
だから俺はアルファでいなくちゃいけない。
オメガはこの世界では“生きているだけで人を惑わす悪魔”であるのだから。
それから1週間後、やっと顔の腫れがひいた。
いつもの生活に戻っていた。
でも、日常はいとも簡単に崩れる。
俺は放課後にアルファの後輩に呼び出された。
いつも仲良くしてくれている子だから断らなかった。
俺は呼び出された教室に行って扉を開いた。
「ごめん、遅れちゃった。って…先輩もいたんですね」
教室の中には既に、後輩くんがよくつるんでいたアルファの先輩方が2人いた。
俺は気軽に声をかける。
だけど次の瞬間、俺はいつのまにか横に来ていた先輩に押さえつけられた。
先輩とは体格がまるで違う。
だから、力で敵うはずかなかった。
「な、なにするんですか…!?」
「しー。ちょっと黙ってな」
俺が言葉を続けようとすると、もうひとりの先輩が言った。
「お前、オメガなんだってな?」
「っ…!?」
俺は息を呑んだ。
なんで、バレたんだ。どうして。
「その反応、やっぱそうなのか。ならさ、俺らの相手しろよ」
サーッと血の気がひいた。
“相手”それがなにを意味するのかなんてわかる。
俺は精一杯の抵抗をした。
「い、いやだっ…!助けて…!!」
「助けなんて来ねーよ。第一、お前がオメガなのが悪いんだろうが」
その言葉に俺は固まってしまった。
オメガだから、なにもかも仕方ないで片付けられるのか。
そう思ったら苦しくて仕方がなかった。
アルファの先輩たちは固まってしまった隙を逃がさず。
俺はアルファたちに襲われた。
これがアルファを嫌いになった理由だった。


