そばにいたのはキミだった



あのラブレターは園原さんからで、交換日記をしていたのも園原さんなんだよな…?宵衣くんが橋渡しをしてくれてたんだよな…?

あれ?でも名前を貸したって…?どういうこと?

「分かってるよ…でも、香夜くんは今自分の気持ち迷ってるみたいで…しかも俺と園原が何かあるって誤解してて、こんな混乱してる時にまだ本当のこと話せない」

本当のことってなに?

「まったく…なんでそうなるかなー。誤解してるなら早いとこ解かないと、変な風に拗れるよ?」

2人はなんの話を…。

ガラッ。

「…っ!!え」

気が付いたら、俺はドアを開けていた。さっきは突入する勇気なんてないと思っていたのに、体が勝手に…。

「こ、香夜くん…!」

2人はひどく驚いた様子で俺を見ている。園原さんは口元に手を当てて焦っているようだし、宵衣くんは心做しか青ざめて見えた。

「今の話…ど、どういうこと?」
「…っ!聞いて、たの?」
「名前貸してたって…ほ、本当のこと話せないって…なに?嘘ついてた、の?」

どうしよう、頭が痛いしぐるぐるしてきた。真っ直ぐ立ってるのに床が回ってるみたいだ。2人が何か言ってるけど、遠くに感じて上手く聞き取れない…。

「だから…っその、」
「きゃぁ!!」

もうダメだ、そう思った時には視界が真っ暗になっていた。膝の力が抜けてしまったことだけは感覚があったけど、もうそこから体が動かなかった。

「香夜くん!!大丈夫!?香夜くん!」

その後、宵衣くんの俺を呼ぶ声がしばらく聞こえていたような気がした。こんなに焦った声は初めて聞いたな…なんて悠長なこと考えてる場合じゃないのになぁ。