結局昨日の夜は全然眠れなかった。メッセージを送ろうかとも考えたけど、布団の中で文字を打っては消しての繰り返しで終わっていた。
「…っあー、頭痛い」
朝、重い体を起こして何とか準備を済ませ学校へと向かう。宵衣くんが同じ駅で降りることを知っていたので、出会わないように2本くらい早めの電車に乗ることにした。
このままじゃダメだって分かってる。避けてちゃダメだって…キスの理由も聞いて解決しないといけないのに。
でも今は無理そうだ。ここ最近色々考えることが多かったせいと睡眠不足のせいか、今日は特に体がしんどく感じる。
「香夜おはよ…っておいおい、また大丈夫か?フラフラしてんじゃん」
「大丈夫ー…」
「大丈夫じゃねぇだろ、体調悪いの?」
「ちょっと頭痛いだけ。授業まで少し寝とく」
「おー。あんま悪いなら保健室行けよ」
怒涛の1ヶ月だったからかな。俺には衝撃なことが多すぎて、ついにキャパオーバーになってしまったのかもしれない。
それに、唇に触ると昨日の感触を思い出して余計に熱が上がるような気がしてしまう。
こんな風に思うってことは、やっぱり俺の恋愛対象は男だったってこと?
でも、今までの人生はそんなこと全くなかった。むしろ女の子を見て可愛いな〜とか付き合いたいなとか思ったり、ちょっとの露出にドキドキしたりもした。
でも…宵衣くんとのキスを思い出すと、今までのどの時よりもドキドキしてる…。
女だから、男だから、とかじゃなくて…宵衣くんだから、なのかな。
ひとつ気付いても、またひとつ悩みが生まれる。園原さんのことはどうしたらいいんだ。
交換日記をしてて楽しかったのも、日記帳を思わず抱きしめるくらい嬉しかったのも本当なのに。
考えるほど混乱してしまい、目尻に涙が溢れてきたのを誤魔化すように鼻をすすった。
