今日の昼休みは、普段あまり来ない中庭にやって来た。何人かの生徒がベンチに座って喋ったりご飯を食べてるけど、特に気にならない程度。俺も空いている長ベンチに腰掛けて、膝の上に購買で買ったおにぎり2つとピザパンが入った袋を置いた。そして日記も汚れないようにトートバッグに入れたまま隣に置く。
あまり食欲はないけど、食べないと力出ないから…。
あ、これも宵衣くんから言われたことだ。
「はぁー…」
深いため息をつき、購買のおにぎりをガブリと齧る。味は普通に美味しいのに、なんでだろう。味がしないように感じる。
というか…
「宵衣くんの炊き込みご飯食べたいな…」
そう呟いた瞬間、ハッとして首をぶんぶん振った。なんて図々しいことを考えてしまったんだ俺は!ご厚意で作ってもらったのに…。
ドカッ
「…っひ!!!」
その時、1人の男子生徒が俺の隣に身を投げるように思い切り座ってきた。考え事をしていたのもあり、突然のことに驚いて間抜けな声を出してしまった。
「はーー疲れたぁ…」
「……あ、あれ?小坂くん?」
「ん?あ一一!宵衣と一緒にいた…香夜!香夜だ!」
空を見上げるように顔を上げて項垂れていたのをよく見ると、隣に座ってきたのは宵衣くんと同じクラスの小坂くんだった。この前朝登校してる時に会って挨拶を交わしただけなのに覚えててくれているようだ。
「あ、どうも…。お昼食べに来たの?」
「いいや!友達と学校鬼ごっこやってた!疲れたからちょっと休憩〜。あ、飯食ってるの邪魔してごめんね?」
「うん、それは全然大丈夫…」
学校鬼ごっこってなんだ…?やっぱり、この前も思ったけどパワフルですごい元気だなぁ。宵衣くんと雰囲気は違うけど、気を遣わなくて心許せるくらい2人は仲良いだっけ。
「あー!あっちぃー!めちゃくちゃ走ったぁ。香夜もやる!?」
「ああ、いや俺は大丈夫!ありがとう」
「なーんだぁ、香夜もか!さっき宵衣も誘ったけど断られてさぁ」
「そうなんだ…。普段は一緒に昼ご飯食べるの?」
「いや俺は基本遊びに行っちゃうから全然一緒には食べないなー!たまに一緒に購買行くくらい?アイツも少し前くらいから昼休み基本どっか行っちゃうし」
あ、それは俺との約束の時だ。小坂くんに話してないんだ。それに、てっきり俺と約束してない時は小坂くんとご飯食べてるかと思ったけど違うみたい。
よかっ……
っておいおい。
なんでよかったって思おうとしたんだ俺!?
それは小坂くんに失礼すぎるだろ!
