そばにいたのはキミだった



教室に着いて鞄を置いてから、貰ったおにぎりをベランダで食べた。1口かぶりつくと、一気に出汁の香りが広がって人参や鶏肉、蓮根の旨味もじゅわっと感じる。噛む度にじんわり優しい味が染み渡ってくるようだった。

「うっ…まぁ…」

単純にすごく美味い炊き込みご飯なのは確かだけど、それ以上になんでこんなに美味いんだろう。だいぶ冷めててるはずなのに、なぜか温かい。

誰かにおにぎり作ってもらったのは…子供の時以来だからかな。より美味しく感じるのは。

「あれ、香夜何食ってんの?」
「炊き込みご飯のおにぎり」
「美味そー。ちょっと食わせて」
「だめー」

今頃、日記は園原さんに渡されたのかな。もう読まれたかな。

いつもはそればかり気になるのに、なぜか今日は宵衣くん今何してるんだろうとか、小坂くんと喋ってるのかなとか。むしゃむしゃとおにぎりを夢中で頬張りながら、そんなことばかり考えていた。