そばにいたのはキミだった



その夜は、なんだかいつもより落ち着かなかった。ベッドの上で寝転びながら、日記のこととゲーセンでのことを2つ思い浮かべてる。

ヴーヴー

「あ、宵衣くんからだ…」

携帯を見ると、LINEメッセージが1件来ていた。そこには【今日はありがとう。明日中に日記貰えたらいつもの場所で渡すね。おやすみ】と書かれている。

「いつもの場所…ふふ」

文面を見て、2人だけの秘密みたいだな…なんてなぜか嬉しく思った。日記の返事が気になってるはずなのに、同じくらい明日宵衣くんに会えることを楽しみにしている自分がいる。

鞄についたキーホルダーを見て、また笑みが零れた。

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次の日。


朝登校して席に着くと、後から来た慧人が俺のカバンを見て「おっ」と声を出した。

「香夜それ、あのアニメのだろ?買ったの?」
「いいや!昨日ガチャガチャで当てた!」
「へぇー3回もやったんか」
「あ、正確には推しキャラ俺が当てた訳じゃないけど…」
「誰かと行ったの?」
「……宵衣くんと」

それを聞いた慧人は目をパチクリさせてたけど「ふーん」と口を尖らせた。

「もうめっちゃ仲良しじゃん」
「いいいやいや、そこまでじゃないよ!一緒にゲーセン行っただけで…」

あ、まただ。この話をしたらまた昨日のヤンキー達に絡まれた時の宵衣くんの雰囲気を思い出してしまった。なんでこんなに頭から離れないんだ?

たまたま助けてくれただけだし、男にときめくとかどうかしてる!自分!!

「まあでも、仲良くなれたならよかったじゃん。交換日記の相手の子とも仲良いんだろ?相手のことに詳しいなら恋愛相談とかできるし」

チクッ…。

「…あ、そ、そうか。そうだよね」

なんだ??

園原さんと宵衣くんが、恋愛沙汰を頼んだり頼まれたりするくらい仲良いのは分かってたのに…なんで今胸がチクっとしたんだろう。

園原さん…どんな女の子なんだろう。

2人はどんな風に接してどんな風に話をしてるんだろう…。

お互いを名前で呼んだり、笑いかけたりするのかな…。

「うーー!!」
「え、なに?どうした」

ダメだ…!急に気になって仕方なくなってきた!!

「ちょ、慧人!ついてきて!頼む!」
「は?どこに?」
「E組!話しかけるのは無理だけど、やっぱり園原さんがどんな子なのか気になる!!」
「今から?」
「覗くだけ!クラスの誰かに園原さんって人がどの子か聞いてほしい…!ごめん!マジで頼む!」