そばにいたのはキミだった



自分の中で釈然としないままだが、気にしないようにページをパラパラとめくる。そして日記に集中してボールペンを手に取った。

「よし、今日も書くぞ…!」

意外にも園原さんは俺と同じくアクション漫画や恋愛漫画、幅広く好きなんだということ。後は、特に麺料理と甘いものが好きということが分かった。

相手の好きな物が分かったり、共通の趣味があると距離が縮まったように感じるのは気のせいだろうか。それに、園原さんの文面はなんだか温かさを感じる。

「…なんか嬉しそうだね?」
「え!?そんな顔してた!?」
「うん。ニヤニヤしてた」
「う、ごめん…好きなものが同じだったりすると嬉しいし、想像したら顔が勝手に…」
「ふーん…そっか」
「え!ていうか、園原さんもこのアニメ好きなんだ…!俺これ原作も見てる!」

日記の中に自分が好きなアニメのタイトルが出てきて、思わず声に上げた。宵衣くんは「どれ?」と首を傾げてきている。

「ああ…これ俺も好きだよ」
「え!?ほんと?俺の周り全然これ見てる奴いなくてさー!やっと見てる人見つけた!」
「そうなの?なんなら、これのガチャガチャやったりコラボグッズ買ったりもしてるよ」
「マジで!?」
「っ!!」

同士を見つけた嬉しさのあまり、立ち上がって顔を近づけた。その時、宵衣くんは一瞬ビクッと目を開いていた気がしたけどすぐ下を向いた。

「あ一…そういえば、近くのゲーセンにそのアニメのガチャガチャいっぱいあるよ。知ってた?」
「えっうそ!知らなかった!」
「意外に知られてなくて穴場なんだ。この後日記書き終えたら、一緒に行ってみる?」

一緒に…?

宵衣くんと2人でゲーセンに!?

「あ、もし予定があったら別に…」
「ううん!行こう!ガチャガチャやりたい!」
「あっ…そう?よかった…」


まさかの誘いに少し狼狽えたが、特に断る理由もないしガチャガチャをやるのは大好きだ。これは行くしかない。

それに、誘ってもらえたこともなんだか嬉しい。宵衣くんとどんどん仲良くなれてる気がするからかな。

「そうだ!ガチャガチャやりに行くことも書こうっと!園原さんにも教えてあげよ!」
「…うん。いいと思うよ」

そこからはウキウキして日記を書き進めた。次第に緊張感も和らいでいて、日記を書くことが楽しくなってきているようだった。