そばにいたのはキミだった



可愛いなんて初めて言われた…。顔がカーッと熱くなっているのが分かる。

「俺のどこをどう見たら可愛いなんて言葉出てくるんだよ!!顔も背も平凡だし…!」
「…少なくとも、俺はそこが可愛いって思うけど?」
「んなっ…!」

宵衣くんはグイッと顔を至近距離に近づけて俺の顔を覗き込んできた。前髪から覗く切れ長の目が、黒く澄んでいて俺だけを捕らえている。突然のことに一瞬息を飲んだが、すぐ顔を離した。

「近い…!ち、近いし!びっくりした」
「ごめんごめん。それでさっきの質問、興味持たれたら嬉しいか…だっけ?」
「あっそれはもう、忘れても…」
「めちゃくちゃ嬉しい」
「……え、」
「昼も言ったじゃん。やっと俺に興味持ってくれたって。香夜くんが俺のこと気になってくれたら嬉しいよ」

なんで、そんなことを真っ直ぐ言ってくるんだろう。他の友達と居る時と全く違う空気感。宵衣くんの言葉一つ一つがくすぐったく感じる。こんなこと、もし女の子が今みたいに言われたらコロッと堕ちてしまうんだろうな。


「どう?少しは気になってくれてる?」
「…う、うん。最初は、陽キャだ怖いって思ったけど、今はそう思ってないし…宵衣くんのことも知りたいなって思ってるよ。せっかくだしもうちょっと仲良くなりたいかなって…」

俺の言葉に宵衣くんは一瞬目を開いて、突然はーっと深呼吸をした。

「…ありがと。俺も仲良くなりたい」
「でも、なんで…俺と?最初は園原さんに手紙渡すの頼まれただけだったのに…宵衣くんと俺はタイプも違うし…」
「陽キャとかタイプとか関係ないよ。香夜くんだったから仲良くなりたいって思った。それだけ」
「…そ、そうなんだ」

その後、日記を書いてる間…ずっと顔が熱かった気がする。きっとこれだけ真っ直ぐ、しかも直接。男友達から好意的な言葉を投げかけられたのは初めてだからだと思う。