孤高の2人が手を繋ぐとき




「参考書を取りに来たよ」
「おお、って、何を勝手に上がってるんだよ!!」

「え? この家は、ボクによって第二の故郷(フルサト)的な感じなんだけど」
「オマッ、ここはオレの家だから。オマエの家は線香臭い社務所だろうが!!」

「は? 白壇(ビャクダン)の香りも理解できない若造が!!」
「若造って、同じ年だろ。まさか、中身は住職とか!?」

「よいこらしょ、っと。ああ、腰が痛い・・・」
「マジか!! 祖父と孫の入れ替わり!?」

「あー、ここで刃物を持った女子高生に襲われたなー」
「いや、それは悪かった。でも、助けたろ?」

「ズブっと刺されたなー」
「いや、刺されたのはオレだったよね?」

「あった、あった、参考書。期末テストに間に合って良かったわ」
「あー。穴が開いたヤツは弁償すよよ」

「まあ、アレは生命と交換ってことで、いいよ」
「オマエの生命は、2200円なのか!?」

「さてと、帰って勉強しよ。危うく連続1位記録が途絶えるところだった」
「来週の月曜日からだし、まだ1週間あるな」

「ボクは余裕だけど、燈矢は大丈夫?」
「120点くらいは取る自信はあるぞ」

「へえ、スゴイじゃん、120点とかボクでも難し・・・ん?」
「・・・5教科で」

「・・・さあ、帰って勉強しようかな」
「春斗・・・いや、春斗君、春斗様。テスト勉強を一緒にして下さい」

「じゃあ、強化合宿しようか。今日から」
「強化、合宿?」

「1週間、放課後はみっちり勉強。当然、写経と読経はあるけど」
「それ、ただの修行では?」

「いや、別にいいよ。燈矢が赤点取ってもボクは困らないし」
「ぐぬぬ・・・」

「心愛ちゃんに勉強を教えるのは、ボクの役目だなあ」
「やる・・・心愛の先生はオレだ!!」

「じゃあ、すぐに支度して。時間がもったいないからね」
「わ、分かったよ」

「3分で準備して」
「10分」

「仕方ないなあ、5分ね」
「・・・了解」

「ただいまあ」
「心愛ちゃん」
「心愛!!」

「お兄ちゃん達、ただいま」
「おかえり」
「おかえり、心愛」

「お兄ちゃん、どこか行くの?」
「お勉強に行くんだよ」
「修行に行ってくるから」

「心愛も行く!!」
「いや、さすがにそれは・・・」
「巻物を咥えてニンニン言うんだぞ」

「それは、忍者だよね」
「忍者だな」
「お母さあん、心愛もニンニン言いたい!!」



「とりあえず、今後もよろしくね」
「ああ、よろしくな」

「「あ・・・」」







 ~ fin ~