折り鶴サマの満つる刻

 初めてその存在に気づいたときから、似ていると思った。

 夕暮れの公園で、いつも一人沈む夕日を見送っていた。真面目で、愚直で、寂しさを仮面の下に押し殺して笑う背中を、バカだなと思いながら眺めていた。
 心配をかけたくない。弱みを見せたくない。その一心で何もかもを脆弱な肉体の内側に抱え込み、本当は寂しいくせに、誰かに気づいてほしいくせに、そう願うことが罪であるかのように頑なに自分を苛み、追い込む。

 だから、構い倒してやろうと思った。

 自分の殻に閉じこもる暇もないほど、できるだけ自由に、奔放に、その抱えている重荷を一瞬でも忘れて肩から降ろせるように。
 そういうのは得意分野だ。今までもずっと、そうやって関われる人間とだけ関わり、生きてきた。彼自身の持つ優しすぎる心が、いつか彼自身の心そのものを押しつぶしてしまわないよう、守ってやりたかった。

 今度は、一人誰にも気づかれないまま、寂しく死なせずに済むだろうか?

 今度こそ、本当の意味で、自分は人を救えるのだろうか――。