「まさかあの星空さんがこんなことになるなんてな…」
再び多数の同窓生が集っていた。
前回の煌びやかな衣装ではなく、みんなあの時の彼女のドレスと同じ黒い色の衣装を身にまとって。
今日は彼女のお別れ会を彼女と俺たちの母校でもあるこの小学校で行う日。
正直俺はこの会に参加するか本当に迷っていた。
こんな彼女に対しての思い出が詰まった場所に来るなんて色々な思い出を思い出してしまい辛くなるに決まっている。
なのに、何となくだがここに来ればもう一度彼女に会える気がする…そんな不思議な気持ちを胸に足を運んでいた。
「5年の時に転校して来て目立っていたよな」
「本当にあの頃から他の子と違う感じしたよね」
5年生の同級生が当時と同じ教室で集まり、みんなが彼女に対してそれぞれの想いを馳せていた。
「なぁなぁ。星空さんが転校してすぐの隣の席って柿沢だったよな?何か印象に残ってることとか無いの?」
「そうだなぁ、俺は本当に星空さんに頼りっぱなしだったよ…教科書とか見せて…くれたり…筆記具…貸して…くれたり」
「おい大丈夫か?」
いつの間にか涙が止まらなくなった俺は、机に顔を伏せてしばらく泣いていた。
「柿沢、おい柿沢」
同級生から体を揺すられていたのは分かっていたが、重い腰は上がらず聞こえないフリをしていた。
「寝てるのかな?変に起こしてもなぁ…」
そう言ってそっーと立ち去っていく同級生達。
俺的にはそれでよかった。
一人になりたかった。
この場で。
あの時…感じたあの想いを胸に。
「柿…沢…柿沢…」
また言いにきたのかな?
「(さっきどこか行ったはずなのに)」
「柿沢…くん…柿沢くん!」
「はい?」
そう顔を上げて返事をした俺は目の前の光景に驚愕した。
「あの…先生?」
それは目の前にプリントを持った若かりし姿の先生が立っていた。
「何を言ってるんだよ。寝ぼけてる場合じゃないよ。春休みの注意事項がここに書いてるから、ちゃんと読んで親御さんにも見せるんだよ」
「はぁ…い」
そう曖昧に返事を返すと教室中に笑い声が溢れかえる。
俺は意味がわからなかった。
周りにいるのは小学生の子供ばかり。
目の前にいる担任も頭がフサフサになってるし。
よく見ると周りの小学生はどこかで見たような姿をしている者ばかり。
教室の装飾は休み前だからか何も飾っておらず寂しい印象だ。
唯一感じたのはエアコンではなく扇風機が飾られており、テレビは薄型ではなくブラウン管のテレビが置かれていた。
そして……。
次の瞬間、俺はなぜだか目がウルウルとしてボヤけて見える感じがした。
それは遠くの前の席に見慣れた彼女の姿を見つけたから。
「…あれ…って。あれって…星空さん!?」
俺は席から立ち上がって叫んでしまった。
一瞬で星空さん含めたクラス中の視線を一身に浴びることに。
「何だよ?柿沢って星空のこと好きなのかよ!」
「もしかして終業式の日に公開プロポーズ?」
「ヒューヒュー」
――クラス中のボルテージが盛り上がっていった。
「そ…そんなん…じゃ…ねーよ」
俺は顔を真っ赤にして静かに椅子に腰を掛けた。
「はいはい!みんな静かに!柿沢もちょっと寝ぼけてるだけだからあんまり弄ったらダメだぞー」
そう言って担任は教壇へと戻っていった。
俺が一番気になっているのは星空さんの表情だった。
笑ってる…。嫌がってる訳じゃないよね?
もちろん今このよく分からない夢のような状況は、理解出来ないでは居るが、目の前にある光景から察するに俺は唯一《星空雪菜》さんと同じクラスになったことのある小学5年生のクラス内に居て、今は手元にあるプリントを見る限り3学期の終業式らしい。
――ってことは俺は15年以上前にタイムリープしたってこと!?
それとも…これは夢?
俺は自分の頬をつねりながら何度も自問自答を繰り返していた。
「キーンコーンカンコーン」
そうこうしてる間に長らく聴いていなかった懐かしのチャイム音が教室内に鳴り響いた。
「それじゃあ。また元気で会いましょう。サヨウナラ」
担任の掛け声にて5年生最後の登校が終わりを告げたようだ。
「(これは奇跡だ…夢か幻かそんなのはどうでも良い。目の前には星空さんが居てる。後もう少しで手の届く距離に。)」
俺は意を決して星空さんの元に近付いて行った。
帰り支度を済ませる前に何か事を起こさないとと必死だった。
「…あ、あの」
「うん…?」
俺の微かな声に反応して同じく微かな声で返してくれた。
普段、挨拶程度しかこれまで話して来なかった仲なだけに彼女もビックリして当然の表情だった。
「良かったら一緒に――」
「おーい!柿沢!一緒に帰ろうぜ」
「お前女子の前に来て何してんだよー」
「もしかしてナンパとか?ヤッベー」
「んなんじゃねーよ」
あっという間に男子生徒数人に囲まれているうちに、いつの間にか星空さんは教室から姿を消していた。
「あの星空さんって…」
教室の整理をしていた担任に確認をしてみたが――
「星空ならみんなで先に帰ってたぞ」
しまった。
先越された。
せっかく二人きりになれるチャンスだったのに……
「おーい!柿沢も早く帰ろうぜ」
「ほら。柿沢も呼ばれてるじゃないか」
「うん。先生さようなら」
「はい、さようなら。休みの間危ないことするなよー」
呼ばれてるって男子に呼ばれてる場合じゃないんだけど!
てか、俺は今さらランドセル背負って何をやってるんだ?
これは何かの罰なのか?
――それとも…。
夢ならすぐ覚めるよな。
そう自分に言い聞かせながら俺は懐かしの小学生サイズの同級生と帰路に着くのであった。
再び多数の同窓生が集っていた。
前回の煌びやかな衣装ではなく、みんなあの時の彼女のドレスと同じ黒い色の衣装を身にまとって。
今日は彼女のお別れ会を彼女と俺たちの母校でもあるこの小学校で行う日。
正直俺はこの会に参加するか本当に迷っていた。
こんな彼女に対しての思い出が詰まった場所に来るなんて色々な思い出を思い出してしまい辛くなるに決まっている。
なのに、何となくだがここに来ればもう一度彼女に会える気がする…そんな不思議な気持ちを胸に足を運んでいた。
「5年の時に転校して来て目立っていたよな」
「本当にあの頃から他の子と違う感じしたよね」
5年生の同級生が当時と同じ教室で集まり、みんなが彼女に対してそれぞれの想いを馳せていた。
「なぁなぁ。星空さんが転校してすぐの隣の席って柿沢だったよな?何か印象に残ってることとか無いの?」
「そうだなぁ、俺は本当に星空さんに頼りっぱなしだったよ…教科書とか見せて…くれたり…筆記具…貸して…くれたり」
「おい大丈夫か?」
いつの間にか涙が止まらなくなった俺は、机に顔を伏せてしばらく泣いていた。
「柿沢、おい柿沢」
同級生から体を揺すられていたのは分かっていたが、重い腰は上がらず聞こえないフリをしていた。
「寝てるのかな?変に起こしてもなぁ…」
そう言ってそっーと立ち去っていく同級生達。
俺的にはそれでよかった。
一人になりたかった。
この場で。
あの時…感じたあの想いを胸に。
「柿…沢…柿沢…」
また言いにきたのかな?
「(さっきどこか行ったはずなのに)」
「柿沢…くん…柿沢くん!」
「はい?」
そう顔を上げて返事をした俺は目の前の光景に驚愕した。
「あの…先生?」
それは目の前にプリントを持った若かりし姿の先生が立っていた。
「何を言ってるんだよ。寝ぼけてる場合じゃないよ。春休みの注意事項がここに書いてるから、ちゃんと読んで親御さんにも見せるんだよ」
「はぁ…い」
そう曖昧に返事を返すと教室中に笑い声が溢れかえる。
俺は意味がわからなかった。
周りにいるのは小学生の子供ばかり。
目の前にいる担任も頭がフサフサになってるし。
よく見ると周りの小学生はどこかで見たような姿をしている者ばかり。
教室の装飾は休み前だからか何も飾っておらず寂しい印象だ。
唯一感じたのはエアコンではなく扇風機が飾られており、テレビは薄型ではなくブラウン管のテレビが置かれていた。
そして……。
次の瞬間、俺はなぜだか目がウルウルとしてボヤけて見える感じがした。
それは遠くの前の席に見慣れた彼女の姿を見つけたから。
「…あれ…って。あれって…星空さん!?」
俺は席から立ち上がって叫んでしまった。
一瞬で星空さん含めたクラス中の視線を一身に浴びることに。
「何だよ?柿沢って星空のこと好きなのかよ!」
「もしかして終業式の日に公開プロポーズ?」
「ヒューヒュー」
――クラス中のボルテージが盛り上がっていった。
「そ…そんなん…じゃ…ねーよ」
俺は顔を真っ赤にして静かに椅子に腰を掛けた。
「はいはい!みんな静かに!柿沢もちょっと寝ぼけてるだけだからあんまり弄ったらダメだぞー」
そう言って担任は教壇へと戻っていった。
俺が一番気になっているのは星空さんの表情だった。
笑ってる…。嫌がってる訳じゃないよね?
もちろん今このよく分からない夢のような状況は、理解出来ないでは居るが、目の前にある光景から察するに俺は唯一《星空雪菜》さんと同じクラスになったことのある小学5年生のクラス内に居て、今は手元にあるプリントを見る限り3学期の終業式らしい。
――ってことは俺は15年以上前にタイムリープしたってこと!?
それとも…これは夢?
俺は自分の頬をつねりながら何度も自問自答を繰り返していた。
「キーンコーンカンコーン」
そうこうしてる間に長らく聴いていなかった懐かしのチャイム音が教室内に鳴り響いた。
「それじゃあ。また元気で会いましょう。サヨウナラ」
担任の掛け声にて5年生最後の登校が終わりを告げたようだ。
「(これは奇跡だ…夢か幻かそんなのはどうでも良い。目の前には星空さんが居てる。後もう少しで手の届く距離に。)」
俺は意を決して星空さんの元に近付いて行った。
帰り支度を済ませる前に何か事を起こさないとと必死だった。
「…あ、あの」
「うん…?」
俺の微かな声に反応して同じく微かな声で返してくれた。
普段、挨拶程度しかこれまで話して来なかった仲なだけに彼女もビックリして当然の表情だった。
「良かったら一緒に――」
「おーい!柿沢!一緒に帰ろうぜ」
「お前女子の前に来て何してんだよー」
「もしかしてナンパとか?ヤッベー」
「んなんじゃねーよ」
あっという間に男子生徒数人に囲まれているうちに、いつの間にか星空さんは教室から姿を消していた。
「あの星空さんって…」
教室の整理をしていた担任に確認をしてみたが――
「星空ならみんなで先に帰ってたぞ」
しまった。
先越された。
せっかく二人きりになれるチャンスだったのに……
「おーい!柿沢も早く帰ろうぜ」
「ほら。柿沢も呼ばれてるじゃないか」
「うん。先生さようなら」
「はい、さようなら。休みの間危ないことするなよー」
呼ばれてるって男子に呼ばれてる場合じゃないんだけど!
てか、俺は今さらランドセル背負って何をやってるんだ?
これは何かの罰なのか?
――それとも…。
夢ならすぐ覚めるよな。
そう自分に言い聞かせながら俺は懐かしの小学生サイズの同級生と帰路に着くのであった。
