『あっ!ケイさんこんばんは!今日も来てくれてありがとう~♡』
最早日課になったアイリンのLIVE配信を眺めながら、俺はちらりと同接欄を見た。
同接は変わらず1人、俺だけだ。
「……結局来ねえじゃん」
やっぱり好見にURLを教えるんじゃなかった。きっとからかわれただけだったんだろう。
『ねえねえケイさん!今日は何かリクエストある?無かったら私がケイさんの為に考えたヒットソングメドレー歌っちゃうよ♡』
「ぶっ!!?」
缶ビールを吹き出しかけた。嘘だ。ちょっとは吹き出した。
カメラに向かって至近距離で手を振るアイリンを食い入るように見つめる。
俺の為にわざわざメドレー作ってくれたってマジか?こんな好待遇があって良いのか?
俺は慌ててコメントを打ち込んだ。
≫メドレーでお願いします。
≫俺の為にそこまでしてくれるなんて神すぎる。一生推す。
『わあ!一生推してくれるの?すっごく嬉しい~♡約束だよ?』
画面いっぱいにアイリンが映り込んで顔の近くに左の小指だけを立てる。にっこり笑ってピコピコと小指の関節を動かす仕草が可愛すぎてのけ反った。
いやマジでこんな可愛い子が見つからないのおかしいだろ。
≫はい。約束します。
『ふふっ、ケイさんありがと~!じゃあ早速始めるね!アイリンオンステージ、スタート!』
アイリンが画面中央のステージに駆け出して、メドレーを歌って踊り始めた。
最近バズったアイドルソング、誰もが知る映画の主題歌。
15年前に流行ったインターネットソングをフリまで完璧に披露してくれた時は感動で泣くかと思った。
キラキラした笑顔を向けて俺の為だけに歌って踊るアイリンは、俺が今まで見たどんなアイドルよりも魅力的に映った。
≫最高だった!!本当にありがとう!!
俺はチャット欄からネット通貨を送ろうとカーソルを動かした。
ここまでしてくれて無料はあり得ない。”コインを購入して送信”を押した瞬間、俺は固まった。
”無効な操作です”。
その無機質なポップアップに俺は眉を顰めた。
え、まさか投げ銭切ってるのか?ここまでしてくれたのに?
≫アイリン。本当に感動した。
≫投げ銭したいんだけど……もしかして投げ銭機能切ってる?
俺がそう打ち込むと、アイリンが焦げ茶色の目をぱちっと開いて困ったように笑った。
『ええ~そんなの良いよお!気持ちだけで嬉しいからっ!』
≫そんな事言わずに!俺、もっとアイリンを応援したいんだ!
『ホントにいいよお~!投げ銭目的でやってないし!……そんなのは、いいからさ』
アイリンが言葉を切ってカメラに近寄った。
フルスクリーンいっぱいに映し出されたアイリンが、猫のような目を細めて笑った。
『私、リアルでもケイさんに会いたいな♡』
――ギシッ!
俺の背後のロフトからまた、軋むようなラップ音が響いた。
最早日課になったアイリンのLIVE配信を眺めながら、俺はちらりと同接欄を見た。
同接は変わらず1人、俺だけだ。
「……結局来ねえじゃん」
やっぱり好見にURLを教えるんじゃなかった。きっとからかわれただけだったんだろう。
『ねえねえケイさん!今日は何かリクエストある?無かったら私がケイさんの為に考えたヒットソングメドレー歌っちゃうよ♡』
「ぶっ!!?」
缶ビールを吹き出しかけた。嘘だ。ちょっとは吹き出した。
カメラに向かって至近距離で手を振るアイリンを食い入るように見つめる。
俺の為にわざわざメドレー作ってくれたってマジか?こんな好待遇があって良いのか?
俺は慌ててコメントを打ち込んだ。
≫メドレーでお願いします。
≫俺の為にそこまでしてくれるなんて神すぎる。一生推す。
『わあ!一生推してくれるの?すっごく嬉しい~♡約束だよ?』
画面いっぱいにアイリンが映り込んで顔の近くに左の小指だけを立てる。にっこり笑ってピコピコと小指の関節を動かす仕草が可愛すぎてのけ反った。
いやマジでこんな可愛い子が見つからないのおかしいだろ。
≫はい。約束します。
『ふふっ、ケイさんありがと~!じゃあ早速始めるね!アイリンオンステージ、スタート!』
アイリンが画面中央のステージに駆け出して、メドレーを歌って踊り始めた。
最近バズったアイドルソング、誰もが知る映画の主題歌。
15年前に流行ったインターネットソングをフリまで完璧に披露してくれた時は感動で泣くかと思った。
キラキラした笑顔を向けて俺の為だけに歌って踊るアイリンは、俺が今まで見たどんなアイドルよりも魅力的に映った。
≫最高だった!!本当にありがとう!!
俺はチャット欄からネット通貨を送ろうとカーソルを動かした。
ここまでしてくれて無料はあり得ない。”コインを購入して送信”を押した瞬間、俺は固まった。
”無効な操作です”。
その無機質なポップアップに俺は眉を顰めた。
え、まさか投げ銭切ってるのか?ここまでしてくれたのに?
≫アイリン。本当に感動した。
≫投げ銭したいんだけど……もしかして投げ銭機能切ってる?
俺がそう打ち込むと、アイリンが焦げ茶色の目をぱちっと開いて困ったように笑った。
『ええ~そんなの良いよお!気持ちだけで嬉しいからっ!』
≫そんな事言わずに!俺、もっとアイリンを応援したいんだ!
『ホントにいいよお~!投げ銭目的でやってないし!……そんなのは、いいからさ』
アイリンが言葉を切ってカメラに近寄った。
フルスクリーンいっぱいに映し出されたアイリンが、猫のような目を細めて笑った。
『私、リアルでもケイさんに会いたいな♡』
――ギシッ!
俺の背後のロフトからまた、軋むようなラップ音が響いた。



