あなたとならもう一度~国の第一王子に愛されるまで~

凍えそうなある春の雪降る日。

一人山奥に住む魔女・アイルはいつものように薬草を採取していた。

そんな中、かなり、うんとかなり久々に人間を見た。

「・・・(なんだ?)」

まだ小さい子だ。

知らぬふりをして通り過ぎようとした、その時にかすかに聞こえた。





「おかあさ・・・・」





まだ幼いからか、母親を求めているんだろう。

それくらいしか思っていない。

だけど、なんだか気になる。

アイルはそっと近づいて、見えているおでこに触れた。

かなり熱が高くあるよう。

大きくため息をついたアイルは、よいしょ、と身体を起こさせる。

この小さな子はとても小柄で、美しい男の子だ。

さらさらとした、襟足の長い子。

雪と同じような色をしている髪の毛。

気品がある、と言えるような子だ。

アイルはいやいやと考えながら、自宅を目指す。