男子校でも本命バレンタインもらえました。

今日は、3/14

ホワイトデーであり、俺の勝負の日でもある。

朔は、部活の後輩らしき子達に呼び出され教室を出ていった

「おい、叶多、今日あれだろ、デート だろ」

『うるせえよ…緊張してんだからほっといてくれ』

「ちゃんと聞いてこいよ、マドレーヌのこと」

『いっその事、悠真から聞いてくれない?』

「こういうのは、本人が聞くって相場決まってんのぉ」

『相場、男子校でバレンタイン貰わないだろ』

「まっ、頑張ってこい。俺は帰るわ、お疲れ〜」

『お疲れ〜』

お前も一緒にいてくれと言いたいところだったけど、言ったところで来ないしね、あいつは。

「ごめん、お待たせ」

『う、ううん。全然大丈夫』

待たされたのは全然大丈夫なんだけど、問題は別にある。

バレンタインの日、俺の靴箱にあのマドレーヌを入れたのはあなたですか?

そう聞かないといけない

聞かないと悠真になんと言われるか…

うぅ…緊張する

違った場合は、勘違いかーで済むけど、合ってた場合は?

俺だよ。って言われた時、どうすればいいんだ

じゃあ、付き合いますか?って俺から言うわけにもいかないし…

いや、俺が朔と付き合いたいみたいになってるじゃん。
なんで??

てか、まず、お返ししないといけないのか?

考えれば考えるほど、答えが出ない。

「よし、じゃあ行こうか」

『そうだね、てか、見たい映画って何?』

「これ!」

そう言って、スマホの画面をこちらにむける

そこに映っていたのは、まさかの恋愛映画だった。

高校生の、スクールラブコメディ

『恋愛?』

「そう!あ…ごめん、こういうの苦手だった?別の映画にしようか」

『いや、全然大丈夫!俺この女優さん好きだし』

「…そっか、じゃあこれでいいね」

そう言って微笑む朔の顔は何故か少し切なかった

とはいえ、マドレーヌの事を聞くタイミングがあるとすれば、映画の前後だ

学校の近くにある商業施設の映画館に行くことになっている
比較的すぐに着くから、俺の心が決まる前に着いちゃうんだよな…

映画を観る間にしっかり心を決めるのが得策な気がする!

『朔は、結構恋愛映画見たりするの?』

「う〜ん、めちゃくちゃ見る訳ではないんだけどね」

『今回はなんで恋愛映画??』

「自分の状況に似てると、見たくなるんだよ」

『自分の状況…?』

「あ、着いたね」

『え、うん…』

話を強制的に打ち切られた気がする。

自分の状況ってどういうこと?
好きな子がいるってこと?

…それが、俺ってこと?

いやいや、まっさか〜

先走りすぎだっての

「ね、席どうする?」

『えっと〜…俺は割とこのへん好き』

俺は、後方の右端の方を選んだ。

結構1人映画とか行くタイプだから、ど真ん中に行くよりかは端の方でゆったり見たいタイプなんだよね。

『でも、あれか、ど真ん中とかの方が見やすいのか』

「いや、俺もちょっと端の方好きなんだよね、そこにしようよ」

『あ、ほんと?じゃあここがいい』

そう言って、隣同士のチケットを買った。

「ポップコーン、ドリンクも買うか」

『もちのろんだね』

「ポップコーンは、何味派?」

『俺はね〜』

「あ、まって!せーので言ってみない?」

『なにそれ、2択じゃん』

「いいから!塩か、キャラメルね。せーの」

「『塩!』」

『お!食の好みが合うと嬉しいね』

「そうだな」

メニューを見てみると、ペアセットというのが目に入った。

ポップコーンは味を二種類選べるらしいが、別に同じ味でもいいらしい。

『ペアセットにしない??少しお得みたいだよ』

「いいね、デートぽいし」

『でっ!?』

「ドリンク何にする?」

『こ、こーらで…』

「俺も!そこも一緒なんだね。じゃあ頼んでくる」

そう言って、注文口の方へ向かう朔

そうなんだよね、今日デートなんだよね

改めて口に出されると、どうしても驚いてしまう

いや、てかまて、このままだと奢られてしまう

《〜円でーす》

「はーい」

『あっぶねぇ…これでお願いします!』

ぎりぎり朔が出す前に出せた

「良いのに…」

『だって、今日は俺がお礼する日でしょ』

《お釣りのお返しです、あちらでお渡しするのでお渡し口の前でお待ちください》

『ありがとうございます』

「返すよ」

『まじでいいから』

「…じゃあ、お言葉に甘えて」

『それでよし』

《お待たせしました〜》

「ありがとうございます!」

そう言うと、朔は当たり前のように商品を持ってくれた。

こういうスマートな所がモテるんだろうな…

こんなイケメンなのに男子校なのもったいない

「もう開場されてるみたいだし、入る?」

『そうだね!』

ここから、2時間。

俺が覚悟を決める猶予時間。

映画は楽しめないだろうなあ。


…続く