ルーズさが売りの俺が、生真面目クラスメイトに懐かれています

 正直、クラスメイトの集まりはその後も悪かった。
 たまーに、忘れた頃にこっちに来る奴はいたが部活があったりなかったりで、俺たちのように毎回集まれるやつはいなかった。

 唯一そのことを気にしていたのは、あの面倒な発言のあった日に部活でいなかった宮本だけだった。

「将也」
「あ、誠太。今日部活休み?」
「いやサボり」
「ないな。抜けただけだろ?」
「……一応、クラス練あるなら顔出しだけ許可してもらえたから」
「ふーん」

 北口高校のバレー部は、そこそこ強くて弱いらしい。ので、ワンチャン全国に行けたり行けなかったり、の狭間で大変らしいと聞く。実際のところ、そういう空気に染まってしまった宮本にとって、自分の練習を止めてまでこっちに付き合うのは、結構勇気がいることらしいと後々聞いた。

 よくもまあ、そんな大変なことができるよな、と思いつつ、まだ話し足りないような誠太に話題を譲ることにした。

「誠太はレギュラーだし、悪いな」
「正直、自主練でなんとかなるレベルだし。五十嵐と俺が集まったら、あいつら絶対来ないだろ。せめて俺だけでも抜けたらって思ったけど……まあ、そういう感じか」
「いや、それは誠太のせいじゃないっつーか、五十嵐も悪いとは思う」
「まあなー、たかが体育祭って考える奴のほうが多いんだろうし」

 俺だって、五十嵐が言わなかったら、あんな風に心配してくる奴だって知らなかったら、ここにいないクラスメイトと同じように対応してたとは思う。

 だから別に、彼らも五十嵐も批判するつもりはない。単純に、優先順位の差だ。

「五十嵐のほうが、ちゃんとしてると思うけど。俺がマジでやるなら、がっつりランニングさせるし、ボールは買って家でも練習させるし」
「うわ。鬼の宮本の本気」
「それに」

 本気の体育会オーラを出したと思ったら、誠太は泣き笑いのような顔で、こっちに笑いかけてきていた。

「うん? なに?」
「……おまえが一番、丁寧に手かけられてるよなって」
「そうか?」

 正直、そんなことはわからない。多分、五十嵐は兄弟にされたことをそのまま返しているだけで。ともすれば、それだけの愛情を、五十嵐は受け取っていたというだけで。

「修旅で何があったか知らねぇけど、あれだな」
「おう」
「怪我、すんなよ。五十嵐がこええから」
「ないない」

 そう言って、誠太は自分の部活に戻っていくことにしたらしい。

「進捗報告しろよ。できることは教えるから」
「……ういーっす」

 五十嵐は淡々と準備をしていた。
 俺たちなんかにを気にせず。
 それがいいのか悪いのか、わからなかったけど、ちょっとだけむっとしたのも、また事実だった。