提供映像2
提供者:シャークさん
撮影時期:1999年10月4日。
撮影者との関係:自分が撮影。
映像に関するエピソード
大学の友人4人と、虎倉井ブリーズワールドに遊びに行った時の映像です。当時、撮影者である私は新しいビデオカメラを買ったばかりで、この日は性能を試してみたいからと、仲の良い友達を誘って4人でドライブに出かけまして、その中で虎倉井ブリーズワールドにも立ち寄りました。新しいビデオカメラを試すためだけにドライブに出かけて、通りがかった遊園地にも急遽立ち寄って。あの頃は若かったなと、当時の自分たちのバイタリティの高さには驚かされますが、だからこそ思い出深い。こういうのを青春と言うのかもしれませんね。すみません、くさいことを言ってしまいました。
当時の友人たちとは現在も交流が続いていますが、1人は2年前に、45歳の若さで亡くなりました。「虎倉井ブリーズワールドメモリープロジェクト」を知ったことで、当時撮影した映像を思い出し、亡くなった彼の若かりし頃の姿を見て、目頭が熱くなるのを感じました。
友人2人とも相談し、今回この映像を「虎倉井ブリーズワールドメモリープロジェクト」に応募することを決めました。亡くなった彼はイベントごとが大好きで、「虎倉井ブリーズワールドメモリープロジェクト」を知れば、真っ先に参加を決めていたであろうと思ったからです。亡くなった友人の遺族からも許可は頂いております。
私たちは虎倉井ブリーズワールドに気まぐれに立ち寄っただけで、決して熱心なファンとは言えませんが、それでもあの場所が、友人たちの大切な思い出の場所であることに変わりはありません。亡き友と共に、プロジェクトに花を添えることができたら嬉しく思います。
【ビデオ映像本編】
「到着しました! ここが虎倉井ブリーズワールドです!」
デニムジャケットを着たミディアムヘアの青年が、虎倉井ブリーズワールドの入場口を背景にして、PHSをマイクに見立てて、リポーター風に実況した。その様子が面白おかしかったのか、撮影者のシャークさんの堪えるような笑い声がところどころに入っている。
「ここに来るのは、子供のころ以来だな」
入場後、虎の刺繍のスカジャンを羽織った茶髪の青年が当時を懐かしむように、カメラで写真を撮っていた。
「お前のスカジャン虎だし、すげー馴染んでるぞ」
黒いパーカーを着た短髪の青年が指摘すると、シャークさんのカメラがスカジャンの虎の刺繍をアップにした。マスコットキャラクターのキトラくんをはじめ、虎モチーフのアトラクションや施設が多い虎倉井ブリーズワールドには、他にも虎の要素のある服を着た来場者が多数おり、虎の刺繍のスタジャンもよく馴染んでいた。
「それにしても、家族連れやカップルばっかりで、男4人組は浮いてね?」
「別にいいじゃん。こういうのは楽しんだもの勝ちだろう。タイガーホールってジェットコースターがスリリングらしいから、みんなで乗りに行こうよ」
周囲の客層と自分たちのギャップにパーカーの青年は苦笑いを浮かべたが、デニムジャケットの青年はそんな杞憂を笑い飛ばし、パンフレットを片手にタイガーホールの方向を指さしている。
「そういえば前きた時は、身長制限に引っかかって乗れなかったんだよな」
リベンジを思い出したスカジャンの青年が先頭を行き、シャークさんのビデオカメラは少し遅れて、三人の背中を映しながら進んでいく。
「すみません。赤いトレーナーを着た、6歳くらいの男の子を見ませんでしたか?」
声に反応して、カメラが一瞬、右側を向いた。声はシャークさんにかけられたものではなく、三十代ぐらいの女性が、緑色のジャンパーを着た園の係員の男性に相談をしているようだった。子供とはぐれてしまったのだろう。
反射的に声の方を向いてしまっただけで、他人が映していいようなものじゃない。シャークさんのカメラはすぐに正面を向き、友人三人の背中を追いかけた。
「到着しました。ここがタイガーフォレストです。果たして僕たち4人はこの緑色の迷宮から無事に脱出することは出来るのでしょうか?」
場面が切り替わりカメラは、迷路型アトラクション、タイガーフォレストの、ログハウス風の入り口を撮影していた。再びPHSをマイクに見立てたデニムジャケットの青年が、バラエティー番組の探検隊よろしく、サービス精神満点に実況をしている。
「おいおい。また行き止まりかよ」
先頭を進んでいたパーカーの青年が、「行き止まりだよ」というプラカードを持った熊のキャラクターの前で立ち尽くしていた。子供向けアトラクションかと侮るなかれ、大学生4人がかりで完全に道に迷っていた。
「右手の法則ってあったよね。右手で壁に触りながら進めば、迷路を攻略できるってやつ」
「それいいじゃん。早速やってみようぜ」
デニムジャケットの青年の案に乗り、スカジャンの青年が早速右手で壁に触っていた。
「足音?」
右手の法則に従いながらしばらく歩いていると、カメラは撮影者のシャークさんの呟きを拾った。カメラが不意に左を向くと、奥のT字になっていた通路を一瞬、赤い服を着た小さな子供らしきシルエットが横切った。
「どうかしたのか?」
カメラが再び正面を向く。足を止めたシャークさんを気にかけて、パーカーの青年が振り返っている。
「小さい子供が走ってて」
「俺たち以外にも、チラホラ客がいるみたいだしな。広いからあまり合わないけど」
「おーい。はぐれても探してやらないぞ」
数十メートル先まで進んでいたスカジャンの青年が、足を止めていた2人に呼びかける。「悪い悪い」と言いながら、パーカーの青年とカメラのシャークさんは、速足で友人たちと合流した。
「うおっ! びっくりした」
しばらく迷路を進んでいると、角を曲がった瞬間、先頭だったスカジャンの青年が声を上げて飛びのいた。カメラからは文字通り死角なので、角で何が待ち受けていたのか分からない。ホラー映画の演出のように、カメラがゆっくりと角へと近づいていくと。
「ずいぶんと可愛らしい仕掛け人だな」
撮影者のシャークさんは思わず吹き出してしまった。スカジャンの青年が角で遭遇したのは、キトラくんの着ぐるみだった。驚かせてごめんねと言いたいのか、両手を合わせて、可動域の小さそうな頭を下げている。通路で4人とすれ違うと、キトラくんの着ぐるみは4人が通ってきた道の方へと消えていった。
「着ぐるみを着たスタッフって、こういうアトラクションにも出現するんだね」
「にしてもビビりすぎだろお前」
デニムジャケットの青年は素直に感心し、パーカーの青年はキトラくんに驚いていたスカジャンの青年にちょっかいを出している。
「しょうがないだろう、曲がり角にいきなり立ってたんだから。てか、ここは野生動物がたくさん森の中だろう? 虎に遭遇してビビる俺の方が正解だって」
背中の虎で語るその姿に、一向からは大きな笑い声が上がった。
「いやー、思ったよりも楽しかったね」
デニムジャケットの青年の手には、購入したグッズの入ったレジ袋が握られている。
場面が変わりカメラは、虎倉井ブリーズワールドを出た、帰りの車内の様子を映している。カメラのシャークさんは助手席に座り、その後ろの席にスカジャンの青年、その隣にデニムジャケットの青年。運転手はパーカーの青年だった。
「また4人で遊びにこようぜ」
「バーカ。次は彼女とくるよ」
スカジャンの青年に対してパーカーの青年はそう返したが、声色は優しく、楽しかったのは満更でもなさそうだ。
「みんな、今日は俺のわがままに付き合ってくれて、ありがとうな」
「どうしたのさ改まって。ビデオカメラの試運転かこつけてたくさん遊べたし、楽しい一日だったよ」
「俺も、久々に虎倉井ブリーズワールドにも行けたし、メッチャ楽しかったわ」
「俺は運転が好きだし、車ならまたいつだって出すぜ」
カメラに映る3人、それとルームミラーに映るシャークさんの表情は、夕焼けに照らされてキラキラと輝いていた。
以上がシャークさんから提供された、虎倉井ブリーズワールドの記録映像である。
提供者:シャークさん
撮影時期:1999年10月4日。
撮影者との関係:自分が撮影。
映像に関するエピソード
大学の友人4人と、虎倉井ブリーズワールドに遊びに行った時の映像です。当時、撮影者である私は新しいビデオカメラを買ったばかりで、この日は性能を試してみたいからと、仲の良い友達を誘って4人でドライブに出かけまして、その中で虎倉井ブリーズワールドにも立ち寄りました。新しいビデオカメラを試すためだけにドライブに出かけて、通りがかった遊園地にも急遽立ち寄って。あの頃は若かったなと、当時の自分たちのバイタリティの高さには驚かされますが、だからこそ思い出深い。こういうのを青春と言うのかもしれませんね。すみません、くさいことを言ってしまいました。
当時の友人たちとは現在も交流が続いていますが、1人は2年前に、45歳の若さで亡くなりました。「虎倉井ブリーズワールドメモリープロジェクト」を知ったことで、当時撮影した映像を思い出し、亡くなった彼の若かりし頃の姿を見て、目頭が熱くなるのを感じました。
友人2人とも相談し、今回この映像を「虎倉井ブリーズワールドメモリープロジェクト」に応募することを決めました。亡くなった彼はイベントごとが大好きで、「虎倉井ブリーズワールドメモリープロジェクト」を知れば、真っ先に参加を決めていたであろうと思ったからです。亡くなった友人の遺族からも許可は頂いております。
私たちは虎倉井ブリーズワールドに気まぐれに立ち寄っただけで、決して熱心なファンとは言えませんが、それでもあの場所が、友人たちの大切な思い出の場所であることに変わりはありません。亡き友と共に、プロジェクトに花を添えることができたら嬉しく思います。
【ビデオ映像本編】
「到着しました! ここが虎倉井ブリーズワールドです!」
デニムジャケットを着たミディアムヘアの青年が、虎倉井ブリーズワールドの入場口を背景にして、PHSをマイクに見立てて、リポーター風に実況した。その様子が面白おかしかったのか、撮影者のシャークさんの堪えるような笑い声がところどころに入っている。
「ここに来るのは、子供のころ以来だな」
入場後、虎の刺繍のスカジャンを羽織った茶髪の青年が当時を懐かしむように、カメラで写真を撮っていた。
「お前のスカジャン虎だし、すげー馴染んでるぞ」
黒いパーカーを着た短髪の青年が指摘すると、シャークさんのカメラがスカジャンの虎の刺繍をアップにした。マスコットキャラクターのキトラくんをはじめ、虎モチーフのアトラクションや施設が多い虎倉井ブリーズワールドには、他にも虎の要素のある服を着た来場者が多数おり、虎の刺繍のスタジャンもよく馴染んでいた。
「それにしても、家族連れやカップルばっかりで、男4人組は浮いてね?」
「別にいいじゃん。こういうのは楽しんだもの勝ちだろう。タイガーホールってジェットコースターがスリリングらしいから、みんなで乗りに行こうよ」
周囲の客層と自分たちのギャップにパーカーの青年は苦笑いを浮かべたが、デニムジャケットの青年はそんな杞憂を笑い飛ばし、パンフレットを片手にタイガーホールの方向を指さしている。
「そういえば前きた時は、身長制限に引っかかって乗れなかったんだよな」
リベンジを思い出したスカジャンの青年が先頭を行き、シャークさんのビデオカメラは少し遅れて、三人の背中を映しながら進んでいく。
「すみません。赤いトレーナーを着た、6歳くらいの男の子を見ませんでしたか?」
声に反応して、カメラが一瞬、右側を向いた。声はシャークさんにかけられたものではなく、三十代ぐらいの女性が、緑色のジャンパーを着た園の係員の男性に相談をしているようだった。子供とはぐれてしまったのだろう。
反射的に声の方を向いてしまっただけで、他人が映していいようなものじゃない。シャークさんのカメラはすぐに正面を向き、友人三人の背中を追いかけた。
「到着しました。ここがタイガーフォレストです。果たして僕たち4人はこの緑色の迷宮から無事に脱出することは出来るのでしょうか?」
場面が切り替わりカメラは、迷路型アトラクション、タイガーフォレストの、ログハウス風の入り口を撮影していた。再びPHSをマイクに見立てたデニムジャケットの青年が、バラエティー番組の探検隊よろしく、サービス精神満点に実況をしている。
「おいおい。また行き止まりかよ」
先頭を進んでいたパーカーの青年が、「行き止まりだよ」というプラカードを持った熊のキャラクターの前で立ち尽くしていた。子供向けアトラクションかと侮るなかれ、大学生4人がかりで完全に道に迷っていた。
「右手の法則ってあったよね。右手で壁に触りながら進めば、迷路を攻略できるってやつ」
「それいいじゃん。早速やってみようぜ」
デニムジャケットの青年の案に乗り、スカジャンの青年が早速右手で壁に触っていた。
「足音?」
右手の法則に従いながらしばらく歩いていると、カメラは撮影者のシャークさんの呟きを拾った。カメラが不意に左を向くと、奥のT字になっていた通路を一瞬、赤い服を着た小さな子供らしきシルエットが横切った。
「どうかしたのか?」
カメラが再び正面を向く。足を止めたシャークさんを気にかけて、パーカーの青年が振り返っている。
「小さい子供が走ってて」
「俺たち以外にも、チラホラ客がいるみたいだしな。広いからあまり合わないけど」
「おーい。はぐれても探してやらないぞ」
数十メートル先まで進んでいたスカジャンの青年が、足を止めていた2人に呼びかける。「悪い悪い」と言いながら、パーカーの青年とカメラのシャークさんは、速足で友人たちと合流した。
「うおっ! びっくりした」
しばらく迷路を進んでいると、角を曲がった瞬間、先頭だったスカジャンの青年が声を上げて飛びのいた。カメラからは文字通り死角なので、角で何が待ち受けていたのか分からない。ホラー映画の演出のように、カメラがゆっくりと角へと近づいていくと。
「ずいぶんと可愛らしい仕掛け人だな」
撮影者のシャークさんは思わず吹き出してしまった。スカジャンの青年が角で遭遇したのは、キトラくんの着ぐるみだった。驚かせてごめんねと言いたいのか、両手を合わせて、可動域の小さそうな頭を下げている。通路で4人とすれ違うと、キトラくんの着ぐるみは4人が通ってきた道の方へと消えていった。
「着ぐるみを着たスタッフって、こういうアトラクションにも出現するんだね」
「にしてもビビりすぎだろお前」
デニムジャケットの青年は素直に感心し、パーカーの青年はキトラくんに驚いていたスカジャンの青年にちょっかいを出している。
「しょうがないだろう、曲がり角にいきなり立ってたんだから。てか、ここは野生動物がたくさん森の中だろう? 虎に遭遇してビビる俺の方が正解だって」
背中の虎で語るその姿に、一向からは大きな笑い声が上がった。
「いやー、思ったよりも楽しかったね」
デニムジャケットの青年の手には、購入したグッズの入ったレジ袋が握られている。
場面が変わりカメラは、虎倉井ブリーズワールドを出た、帰りの車内の様子を映している。カメラのシャークさんは助手席に座り、その後ろの席にスカジャンの青年、その隣にデニムジャケットの青年。運転手はパーカーの青年だった。
「また4人で遊びにこようぜ」
「バーカ。次は彼女とくるよ」
スカジャンの青年に対してパーカーの青年はそう返したが、声色は優しく、楽しかったのは満更でもなさそうだ。
「みんな、今日は俺のわがままに付き合ってくれて、ありがとうな」
「どうしたのさ改まって。ビデオカメラの試運転かこつけてたくさん遊べたし、楽しい一日だったよ」
「俺も、久々に虎倉井ブリーズワールドにも行けたし、メッチャ楽しかったわ」
「俺は運転が好きだし、車ならまたいつだって出すぜ」
カメラに映る3人、それとルームミラーに映るシャークさんの表情は、夕焼けに照らされてキラキラと輝いていた。
以上がシャークさんから提供された、虎倉井ブリーズワールドの記録映像である。



