夜の街を、我々はまるで映画のワンシーンのように歩いた。鴨川の川面には、遠くの街灯が水面で揺れ、まるで未完成の映画のエンディングクレジットが川面に映っているかのようだった。山部は道の端で、歩きながら枝豆の皮を剥いている。彼はどこまで行っても映画祭の舞台裏と同じくらい落ち着きがない。
「塚原、お前はエクスカリバーって言ったけど、ほんとに持ってんのか?」
山部の問いかけに私は黙ってうなずいた。短編映画という名のエクスカリバーを手にした手応えは、まるで水面の月を掴むような感覚だった。重さも、形も、ずっと曖昧である。だが確かに、それは私たちのものだった。
仁王立先輩は我々の後ろを歩きながら、まるでこの街全体が映画祭のセットであるかのように周囲を観察していた。時折、通行人が我々の進行を邪魔すると、先輩は眉一つ動かさず、空気の中に微妙な緊張を差し込む。まるで映画の脚本が生きているかのように。
「ねえ、塚原」山部が突然振り返った。
「この映画祭、観客の反応って、ほんとに読む必要あるのかな?」
「読むも何も、これは戦場だ。拍手も、歓声も、全部伏兵の罠だ」私は答えた。だが、内心はわくわくしていた。戦場といえど、ここには確実に映画が生きている。私たちの作ったエクスカリバーが、今まさに何かを切り拓く瞬間が来るのだ。
そして、映画祭会場が見えた。大きなスクリーン、色とりどりのポスター、観客のざわめき——その全てが、昼間の撮影現場よりも奇妙に生き生きとしていた。山部は突然、両手を広げて大げさに宣言した。
「さあ、塚原! ここからが本当の試練だ!」
仁王立先輩は、相変わらず無言で微妙な間を作りながら、私たちを先導する。まるで空気自体が舞台装置であるかのように、街路灯が私たちの影を長く引き伸ばす。
私は深く息を吸った。川の匂い、酒の残り香、映画祭会場の緊張——すべてが混ざり合い、私の心の中で小さな星座を作っている。篠崎の顔も、笑顔も、あの一言も、すべてが私の剣の柄に絡みついている。
「さあ、映画よ、我々の名の下に勝利せよ」私は心の中で呟いた。
そして、私たちは、戦場——否、映画祭の会場へと、足を踏み入れたのだった。
「塚原、お前はエクスカリバーって言ったけど、ほんとに持ってんのか?」
山部の問いかけに私は黙ってうなずいた。短編映画という名のエクスカリバーを手にした手応えは、まるで水面の月を掴むような感覚だった。重さも、形も、ずっと曖昧である。だが確かに、それは私たちのものだった。
仁王立先輩は我々の後ろを歩きながら、まるでこの街全体が映画祭のセットであるかのように周囲を観察していた。時折、通行人が我々の進行を邪魔すると、先輩は眉一つ動かさず、空気の中に微妙な緊張を差し込む。まるで映画の脚本が生きているかのように。
「ねえ、塚原」山部が突然振り返った。
「この映画祭、観客の反応って、ほんとに読む必要あるのかな?」
「読むも何も、これは戦場だ。拍手も、歓声も、全部伏兵の罠だ」私は答えた。だが、内心はわくわくしていた。戦場といえど、ここには確実に映画が生きている。私たちの作ったエクスカリバーが、今まさに何かを切り拓く瞬間が来るのだ。
そして、映画祭会場が見えた。大きなスクリーン、色とりどりのポスター、観客のざわめき——その全てが、昼間の撮影現場よりも奇妙に生き生きとしていた。山部は突然、両手を広げて大げさに宣言した。
「さあ、塚原! ここからが本当の試練だ!」
仁王立先輩は、相変わらず無言で微妙な間を作りながら、私たちを先導する。まるで空気自体が舞台装置であるかのように、街路灯が私たちの影を長く引き伸ばす。
私は深く息を吸った。川の匂い、酒の残り香、映画祭会場の緊張——すべてが混ざり合い、私の心の中で小さな星座を作っている。篠崎の顔も、笑顔も、あの一言も、すべてが私の剣の柄に絡みついている。
「さあ、映画よ、我々の名の下に勝利せよ」私は心の中で呟いた。
そして、私たちは、戦場——否、映画祭の会場へと、足を踏み入れたのだった。

