いつかきっともう一度







クラス委員の仕事は思っていた以上に多かった。
5月に迫る体育祭の準備、話し合い、クラスのみんなの要望にできるだけ応えられるように調整…

あと、一ヶ月弱しか猶予はない。多くの時間を使って準備していく必要がある。

今、私と奏くんは境先生と変わって教卓の前に立っている。クラスを見回すと既にみんなが体育祭の話に花を咲かしている。

この体育祭は、新しい環境で周りと馴染むのが目標の催しだそうだ。

人前で話すのは正直得意ではない。それでも意を決して口を開く。「次の議題なんだけど…」先生に渡された要項を見ながら声をかけようとする。

「あ、えーと…」

言葉に詰まってしまった瞬間、「じゃあ、俺が聞くね。」横にいた奏くんが自然と言葉を引き取った。

「宮野さんは、決まったこととかを黒板に書いていってくれる?」

その言い方があまりにも自然で。
助けてもらった、というより初めからそういう流れだったかのようで胸が少しだけ暖かくなる。

「ありがとう宮脇くん。」
そう小さな声でお礼を言うと、
「ん。どういたしまして」と返してくれた。

それだけのやり取りだったのに、チョークで黒板にみんなの意見を板書している間もその言葉がぐるぐると頭の中で回っていた。

━でも、きっとこの優しさは特別なものではない。なぜか小さな子の世話をしているみたいなものだろう。

そう、勘違いをしてしまいそうな私自身に言い聞かせた。