湯から上がると、先ほどまで珊瑚が来ていた服はいつの間にかなくなっており、こざっぱりとした桃色の浴衣が置かれていた。
恐らく亀子が用意してくれたのだろう。
珊瑚は真新しい浴衣に袖を通すと、自力で部屋に戻ろうとした。
だが、城の廊下はどこも似たような造りで、珊瑚は歩いているうちに来た道が分からなくなってしまった。
「あの……」
珊瑚は従業員のうちの一人、フグみたいな白い顔をした女の人に声をかけようとした。
だが彼女は珊瑚の顔を見るなり、さっと驚いたように逃げていってしまった。
(……仕方ないよね。相手からしたら私は見慣れぬ女だろうし)
珊瑚がうつむいていると、先ほどのフグの女性が亀子を連れて戻って来た。
「奥様、どうなさいました!?」
「あ……えっと、ちょっと道に迷ってしまって……」
「そうでしたか、ただ今案内しますね」
亀子の微笑みに、珊瑚はほっと胸を撫でおろしながら部屋へと帰った。
「あれ? こんなところ人間?」
「しっ、あれは海神皇様が連れ帰った娘だよ」
「連れ帰った? 何でまた」
「何でも嫁にするって話さ」
「取って食うの間違いじゃないかね」
途中、他の従業員がヒソヒソと噂話をするのが聞こえてくる。
珊瑚は身を縮ませながら亀子の後をついて、逃げるようにして部屋へと戻った。
恐らく亀子が用意してくれたのだろう。
珊瑚は真新しい浴衣に袖を通すと、自力で部屋に戻ろうとした。
だが、城の廊下はどこも似たような造りで、珊瑚は歩いているうちに来た道が分からなくなってしまった。
「あの……」
珊瑚は従業員のうちの一人、フグみたいな白い顔をした女の人に声をかけようとした。
だが彼女は珊瑚の顔を見るなり、さっと驚いたように逃げていってしまった。
(……仕方ないよね。相手からしたら私は見慣れぬ女だろうし)
珊瑚がうつむいていると、先ほどのフグの女性が亀子を連れて戻って来た。
「奥様、どうなさいました!?」
「あ……えっと、ちょっと道に迷ってしまって……」
「そうでしたか、ただ今案内しますね」
亀子の微笑みに、珊瑚はほっと胸を撫でおろしながら部屋へと帰った。
「あれ? こんなところ人間?」
「しっ、あれは海神皇様が連れ帰った娘だよ」
「連れ帰った? 何でまた」
「何でも嫁にするって話さ」
「取って食うの間違いじゃないかね」
途中、他の従業員がヒソヒソと噂話をするのが聞こえてくる。
珊瑚は身を縮ませながら亀子の後をついて、逃げるようにして部屋へと戻った。



