海神皇の言葉に、またもや珊瑚が頬を染めていると、
「失礼いたします」
と、亀助の声がした。
「入れ」
「失礼いたします。奥様にお茶をお持ちいたしました」
そう言いながら、亀助は花の香りのするお茶をコポコポと珊瑚に入れてくれた。
「こちらは以前扶桑様からいただいた南国のお茶です」
「うわあ……ありがとうございますっ……!」
珊瑚は目を輝かせながら目の前のお茶に口を付けた。
初めて飲む南国の茶は、紅玉色に輝いていて、ほのかな酸味が口の中に広がる上品な味だった。
「ああ、扶桑から貰ったものか」
海神皇が舌打ちをすると、亀助は不思議そうな顔をする。
「ええ、いけませんか? 疲労回復の効果があって、寝る前に飲んでも良いとお聞きしたので、ぴったりかと思ったのですが」
「いや、いけないということはないが、どうもあいつは妙に馴れ馴れしいところがあって苦手でな」
海神皇はぶつぶつ呟く。
「扶桑様……というのは海神皇様のお知り合いなのですか?」
珊瑚が尋ねると、海神皇はフンと鼻を鳴らした。
「まあ、そのようなものだ。それより、茶の味はどうだ」
「はいっ……初めて飲みましたが……美味しいですっ……!」
長旅の疲れでのどが渇いている。
珊瑚がごくごくとお茶を飲み干していると、海神皇は満足そうにうなずいた。
「そうか、それは良かった」
海神皇がホッとした顔をしていると、亀助は海神皇のほうをチラリと見て微笑む。
「……なんだ、その顔は」
海神皇は少し不服そうな顔をして亀助を見た。
亀助は笑顔のまま首を小さく横に振った。
「いえいえ、殿下は一体どんなお嫁さんを連れてくるのかと思っておりましたので、こういう愛らしいかたが好みだったのですね、と思っただけです」
「悪いか」
「いえ、私も気に入りました」
海神皇はフンと鼻を鳴らすと、珊瑚のほうへとまた向き合った。
「珊瑚、腹は空いていないか。ずいぶん泳いだろう」
「お腹は……空いているかもしれません。でも、それより……その、長旅の疲れが……」
いつの間にか、珊瑚の瞼はトロンと下に落ちてきて、今にも眠りに落ちそうだ。
「ああ。そうだな。疲れたろう。そろそろ横になったほうがいい」
「はい、ありがとうございます」
「失礼いたします」
と、亀助の声がした。
「入れ」
「失礼いたします。奥様にお茶をお持ちいたしました」
そう言いながら、亀助は花の香りのするお茶をコポコポと珊瑚に入れてくれた。
「こちらは以前扶桑様からいただいた南国のお茶です」
「うわあ……ありがとうございますっ……!」
珊瑚は目を輝かせながら目の前のお茶に口を付けた。
初めて飲む南国の茶は、紅玉色に輝いていて、ほのかな酸味が口の中に広がる上品な味だった。
「ああ、扶桑から貰ったものか」
海神皇が舌打ちをすると、亀助は不思議そうな顔をする。
「ええ、いけませんか? 疲労回復の効果があって、寝る前に飲んでも良いとお聞きしたので、ぴったりかと思ったのですが」
「いや、いけないということはないが、どうもあいつは妙に馴れ馴れしいところがあって苦手でな」
海神皇はぶつぶつ呟く。
「扶桑様……というのは海神皇様のお知り合いなのですか?」
珊瑚が尋ねると、海神皇はフンと鼻を鳴らした。
「まあ、そのようなものだ。それより、茶の味はどうだ」
「はいっ……初めて飲みましたが……美味しいですっ……!」
長旅の疲れでのどが渇いている。
珊瑚がごくごくとお茶を飲み干していると、海神皇は満足そうにうなずいた。
「そうか、それは良かった」
海神皇がホッとした顔をしていると、亀助は海神皇のほうをチラリと見て微笑む。
「……なんだ、その顔は」
海神皇は少し不服そうな顔をして亀助を見た。
亀助は笑顔のまま首を小さく横に振った。
「いえいえ、殿下は一体どんなお嫁さんを連れてくるのかと思っておりましたので、こういう愛らしいかたが好みだったのですね、と思っただけです」
「悪いか」
「いえ、私も気に入りました」
海神皇はフンと鼻を鳴らすと、珊瑚のほうへとまた向き合った。
「珊瑚、腹は空いていないか。ずいぶん泳いだろう」
「お腹は……空いているかもしれません。でも、それより……その、長旅の疲れが……」
いつの間にか、珊瑚の瞼はトロンと下に落ちてきて、今にも眠りに落ちそうだ。
「ああ。そうだな。疲れたろう。そろそろ横になったほうがいい」
「はい、ありがとうございます」



