特別の、その先

side 高槻

 時刻は午後四時半。プラネタリウムは終演した。宮崎さん、大友さん、青山、俺、四人で顔を見合わせてハイタッチをする。準備から本番まで、短い期間の中で工夫してやりきった。解説係は大変だったけど、とても充実していた。

 「文化祭、楽しかったね」

 片付けをしながら宮崎さんが声をかけてくれた。笑っている。心からの笑顔だ。

 「うん。大変だったけど、俺、リーダーやれてよかった。ありがとう」

 宮崎さんは照れたように笑ってから目を伏せる。

 「高槻くん、後夜祭に誘いたい人がいるんでしょ? もう声かけたの?」

 俺は展示物を剥がしながら、ふるふると首を振った。

 「実はまだ。忙しくて、タイミング逃しちゃって」

 宮崎さんは俺の手からそっと展示物を取った。

 「まだ間に合うよ。行ってきて」
 「え、でも、片付けがーー」

 宮崎さんの言葉に驚いていると、グイッと背中を押された。

 「そんなの後でいいから。早くしないと間に合わなくなる!」

 宮崎さんは俺をまっすぐにみて力強くうなずく。俺もうなずき返して、急いで教室を飛び出した。

 ▽▽▽▽
 
 校庭の向こうで、後夜祭の準備が進んでいる。その間を縫うように走って、浅見の姿を探す。

 胸がうるさい。緊張で吐きそうなのに、不思議と逃げたいとは思わなかった。

 断られるかもしれない。今の関係すら壊れるかもしれない。

 それでも、このまま何も言わずに終わるなんて嫌だ。

 浅見が好きだ。