高槻がもう一人のリーダーになってから、高槻と宮崎さんがよく一緒にいるのをみかける。今だって、昼休みだというのに昼食も食べずに二人でなにやら話し込んでいる。俺の机に置きっぱなしになっている高槻のパン。それに手を伸ばすとーー
「食っちゃえば?」
と、田辺がへらっと笑う。俺はおむもろに袋を開けて、ゆっくりとパンにかぶりつこうとするとーー
「あー! 俺のパン!」
高槻が慌てて戻ってきた。
「早く食べてって言ってたから」
「え? パンが?」
うんうんとうなずくと、高槻は楽し気に顔を緩ませる。その顔に少しイラっとしてしまった。
「勝手にパン食べようとしたのになんで笑ってんの?」
「だって、浅見がこんなことすんの珍しいじゃん」
俺の手からパンを取り戻して、それにかぶりついた。
「確かに。高槻はさ、なんで浅見がこんなことしてんのか考えた方がいいと思います」
田辺がスマホをいじりながらだるそうに指摘した。高丘はメロンパンをもぐもぐ食べながら、宙をみてなにやら考えている。
「メロンパンが食いたかったから?」
高槻の答えに、田辺はスマホに視線を落としたままため息をついた。
「え? なになに?」
高槻は瞬きをしながら不思議そうに俺をみる。
「……えっと、うん、そう。メロンパンが無性に食べたくなって」
俺の発言に、田辺がまたもやため息をついた。
「え? 田辺はなんなの!?」
高槻はメロンパンを食べながら、俺と田辺の間で困惑していた。
(別にメロンパンが食べたかったわけじゃないんだけど……)
▽▽▽▽
放課後、昨日の続きで、段ボールにケント紙を貼っていく作業をする。今日は田辺が用事があるからと先に帰ってしまったので、俺は一人で黙々と作業をしていた。
「浅見くん」
ふと、名前を呼ばれて小さく心臓が跳ねた。宮崎さんが俺の隣にきて、作業を手伝ってくれている。
「リーダーの仕事はもういいの?」
「うん。高槻くんが手伝ってくれてるから」
宮崎さんから高丘の名前が出てきて、さらに心臓が跳ねた。
「あのね……」
ケント紙を丁寧に貼り付けていた宮崎さんの手が止まる。
「浅見くんって、高槻くんと仲いいよね?」
上目遣いでじっとみつめられると、俺も手が止まってしまう。
「……うん、まぁ」
俺の返答を聞いた後、目線を手元に戻して落ち着きなく段ボールを触り始めた。
「高槻くんって、彼女とかいたりするのかなぁ?」
「あ~……いないと思うけど」
途端にパッと顔を上げる。
「ほんと?……じゃあ、好きな人とかは?」
「う~ん……それは俺にもわかんない。ごめん」
「そっか……」
またもや視線は手元に戻ってしまった。しばらく二人で黙々と作業をする。周りではガヤガヤと雑談している声が聞こえるのに、ここだけ静かでなんだか落ち着かない。
「……宮崎さんって、高槻のこと好きなの?」
聞くつもりはなかったのに、口が滑ってしまった。
「え!?」
宮崎さんは驚いて、大きな目をさらに大きくしている。
「あ、違ったらごめん」
俺は慌てて謝った。宮崎さんは視線を少しさ迷わせてから、小さくうなずいた。
「……合ってるよ」
「……そっか」
聞かなければよかったと思ったけど、今更遅い。
「……誰にも言わないでね?」
「……うん」
真っ赤な顔でうつむいてしまった。恋をしている顔は、こんなにもかわいいのかと思ったら、余計に自分が嫌になった。
俺の方が高槻のことをよく知ってるし、俺の方がずっと近くにいるはずなのに。まっすぐ好きだと言える宮崎さんの方が、高槻に近い気がした。
「食っちゃえば?」
と、田辺がへらっと笑う。俺はおむもろに袋を開けて、ゆっくりとパンにかぶりつこうとするとーー
「あー! 俺のパン!」
高槻が慌てて戻ってきた。
「早く食べてって言ってたから」
「え? パンが?」
うんうんとうなずくと、高槻は楽し気に顔を緩ませる。その顔に少しイラっとしてしまった。
「勝手にパン食べようとしたのになんで笑ってんの?」
「だって、浅見がこんなことすんの珍しいじゃん」
俺の手からパンを取り戻して、それにかぶりついた。
「確かに。高槻はさ、なんで浅見がこんなことしてんのか考えた方がいいと思います」
田辺がスマホをいじりながらだるそうに指摘した。高丘はメロンパンをもぐもぐ食べながら、宙をみてなにやら考えている。
「メロンパンが食いたかったから?」
高槻の答えに、田辺はスマホに視線を落としたままため息をついた。
「え? なになに?」
高槻は瞬きをしながら不思議そうに俺をみる。
「……えっと、うん、そう。メロンパンが無性に食べたくなって」
俺の発言に、田辺がまたもやため息をついた。
「え? 田辺はなんなの!?」
高槻はメロンパンを食べながら、俺と田辺の間で困惑していた。
(別にメロンパンが食べたかったわけじゃないんだけど……)
▽▽▽▽
放課後、昨日の続きで、段ボールにケント紙を貼っていく作業をする。今日は田辺が用事があるからと先に帰ってしまったので、俺は一人で黙々と作業をしていた。
「浅見くん」
ふと、名前を呼ばれて小さく心臓が跳ねた。宮崎さんが俺の隣にきて、作業を手伝ってくれている。
「リーダーの仕事はもういいの?」
「うん。高槻くんが手伝ってくれてるから」
宮崎さんから高丘の名前が出てきて、さらに心臓が跳ねた。
「あのね……」
ケント紙を丁寧に貼り付けていた宮崎さんの手が止まる。
「浅見くんって、高槻くんと仲いいよね?」
上目遣いでじっとみつめられると、俺も手が止まってしまう。
「……うん、まぁ」
俺の返答を聞いた後、目線を手元に戻して落ち着きなく段ボールを触り始めた。
「高槻くんって、彼女とかいたりするのかなぁ?」
「あ~……いないと思うけど」
途端にパッと顔を上げる。
「ほんと?……じゃあ、好きな人とかは?」
「う~ん……それは俺にもわかんない。ごめん」
「そっか……」
またもや視線は手元に戻ってしまった。しばらく二人で黙々と作業をする。周りではガヤガヤと雑談している声が聞こえるのに、ここだけ静かでなんだか落ち着かない。
「……宮崎さんって、高槻のこと好きなの?」
聞くつもりはなかったのに、口が滑ってしまった。
「え!?」
宮崎さんは驚いて、大きな目をさらに大きくしている。
「あ、違ったらごめん」
俺は慌てて謝った。宮崎さんは視線を少しさ迷わせてから、小さくうなずいた。
「……合ってるよ」
「……そっか」
聞かなければよかったと思ったけど、今更遅い。
「……誰にも言わないでね?」
「……うん」
真っ赤な顔でうつむいてしまった。恋をしている顔は、こんなにもかわいいのかと思ったら、余計に自分が嫌になった。
俺の方が高槻のことをよく知ってるし、俺の方がずっと近くにいるはずなのに。まっすぐ好きだと言える宮崎さんの方が、高槻に近い気がした。



