翌日から、材料集めが始まった。ドーム型のプラネタリウムは段ボールで製作する。自宅にあるものを集めようかという案も出たけど、大きさがバラバラだし持ってくるのも大変だということで購入することにした。
「この大きさが一番いいかも……」
「これで、教室の天井につかないくらいのドームができる感じ?」
「そうだね、けっこう枚数必要だから……だいたい一万五千円くらいかなぁ?」
休み時間、宮崎さんと青山、宮崎さんの友達の大友さんが、集まってスマホをみながら話している。プラネタリウムの材料のことのようだ。俺と田辺は、三人の様子を遠目から、大変そうだなと他人事のようにみていた。
三日後ーー段ボールが学校に届いた。放課後に早速製作開始。まずは、ドームの内側になる部分にケント紙(白くて硬めの紙)を貼っていく。
「宮崎さん、ここでいい?」
「あ、うん。高槻くん、ありがとう」
「残りもすぐに持ってくるから」
高槻が、段ボールの束やケント紙の束をせっせと教室に運び込んでいる。
「俺らもやるか」
「うん」
高槻が持ってきた段ボールにケント紙を貼っていく。空気を入れないように、きれいに貼らなければいけない。地味な作業だが、重要だ。俺は田辺と協力して、二人掛かりでケント紙を貼っていった。
「宮崎さん、こんな感じでいいの?」
「うん、いい感じ。とってもきれい」
「宮崎さん、次は採寸するんだよね? 大きさどんくらい?」
「あ、設計図に書いてあるから確認するね」
「宮崎さん、これって何枚必要なんだっけ?」
「えっと、ちょっと待ってね」
作業が始まってから、宮崎さんは周りからずっと声をかけられて忙しそうにしている。というか、名前を呼ばれすぎていっぱいいっぱいだ。俺たちも宮崎さんに確認してもらいたいけれど、呼ぶのが申し訳なくて、様子をうかがっている。
「あのさ、みんな宮崎さん一人に頼りすぎ。詳細は設計図にちゃんと書いてあるんだから、各自で確認しろよ」
黙って材料を運び込んでいた高槻が、軽い感じでみんなに注意を促した。おかげで、宮崎さんが大変そうなことにやっとみんなが気がついた。
「ごめん、なんも考えずに宮崎さんに聞きまくってた」
「っつか、リーダーが宮崎さん一人だと大変じゃない?」
「高槻、お前一緒にリーダーやってやったら?」
周りからの声に、高槻が「え? 俺?」と戸惑っている。
「あ、私は大丈夫だから。高槻くんもいろいろ忙しいだろうし……」
宮崎さんが笑顔を浮かべて遠慮しているが、顔には疲労の色が見える。このまま宮崎さん一人に任せるのはさすがにかわいそうだ。
「いや、やるよ。俺にできることならなんでもやるから、遠慮なく言って」
「え……でも……」
「あ、他の人の方がよかった?」
「え、ううん……じゃあ、よろしくお願いします」
「うん、よろしくね」
宮崎さんがホッとしたように笑って、高槻もつられて笑う。その空気が、妙にできあがってみえた。
高槻ならリーダーを引き受けると思ったし、これで宮崎さんの負担も減る。作業効率も上がるだろう。なのにーー
(なんか、もやもやする……しんどい)
高槻があんなふうに誰かの隣にいるのが、嫌だなと思った。口から勝手にため息がもれて高槻から視線を外す。ちょうど田辺と目が合って、少し気まずくて作業に集中した。
「この大きさが一番いいかも……」
「これで、教室の天井につかないくらいのドームができる感じ?」
「そうだね、けっこう枚数必要だから……だいたい一万五千円くらいかなぁ?」
休み時間、宮崎さんと青山、宮崎さんの友達の大友さんが、集まってスマホをみながら話している。プラネタリウムの材料のことのようだ。俺と田辺は、三人の様子を遠目から、大変そうだなと他人事のようにみていた。
三日後ーー段ボールが学校に届いた。放課後に早速製作開始。まずは、ドームの内側になる部分にケント紙(白くて硬めの紙)を貼っていく。
「宮崎さん、ここでいい?」
「あ、うん。高槻くん、ありがとう」
「残りもすぐに持ってくるから」
高槻が、段ボールの束やケント紙の束をせっせと教室に運び込んでいる。
「俺らもやるか」
「うん」
高槻が持ってきた段ボールにケント紙を貼っていく。空気を入れないように、きれいに貼らなければいけない。地味な作業だが、重要だ。俺は田辺と協力して、二人掛かりでケント紙を貼っていった。
「宮崎さん、こんな感じでいいの?」
「うん、いい感じ。とってもきれい」
「宮崎さん、次は採寸するんだよね? 大きさどんくらい?」
「あ、設計図に書いてあるから確認するね」
「宮崎さん、これって何枚必要なんだっけ?」
「えっと、ちょっと待ってね」
作業が始まってから、宮崎さんは周りからずっと声をかけられて忙しそうにしている。というか、名前を呼ばれすぎていっぱいいっぱいだ。俺たちも宮崎さんに確認してもらいたいけれど、呼ぶのが申し訳なくて、様子をうかがっている。
「あのさ、みんな宮崎さん一人に頼りすぎ。詳細は設計図にちゃんと書いてあるんだから、各自で確認しろよ」
黙って材料を運び込んでいた高槻が、軽い感じでみんなに注意を促した。おかげで、宮崎さんが大変そうなことにやっとみんなが気がついた。
「ごめん、なんも考えずに宮崎さんに聞きまくってた」
「っつか、リーダーが宮崎さん一人だと大変じゃない?」
「高槻、お前一緒にリーダーやってやったら?」
周りからの声に、高槻が「え? 俺?」と戸惑っている。
「あ、私は大丈夫だから。高槻くんもいろいろ忙しいだろうし……」
宮崎さんが笑顔を浮かべて遠慮しているが、顔には疲労の色が見える。このまま宮崎さん一人に任せるのはさすがにかわいそうだ。
「いや、やるよ。俺にできることならなんでもやるから、遠慮なく言って」
「え……でも……」
「あ、他の人の方がよかった?」
「え、ううん……じゃあ、よろしくお願いします」
「うん、よろしくね」
宮崎さんがホッとしたように笑って、高槻もつられて笑う。その空気が、妙にできあがってみえた。
高槻ならリーダーを引き受けると思ったし、これで宮崎さんの負担も減る。作業効率も上がるだろう。なのにーー
(なんか、もやもやする……しんどい)
高槻があんなふうに誰かの隣にいるのが、嫌だなと思った。口から勝手にため息がもれて高槻から視線を外す。ちょうど田辺と目が合って、少し気まずくて作業に集中した。



