特別の、その先

 --日曜日、俺は特に予定もなく部屋でゴロゴロしていた。クラスのグループラインは相変わらず動いてるけど、動きはゆっくりだ。休日は予定が入っている人が多いから、一部のヒマな人だけで会話してる。俺も見る必要はないけど、ヒマなのでつい見てしまう。内容はいつも通り、ほぼ雑談。

 『高槻いるー?』
 『個人ラインに送れよ』
 『だってあいつ返信遅い』
 
 突然、高槻の話題が出た。心臓がドキッとして、思わずベッドから起き上がる。

 『そういえば最近 仲いいよねー!高槻と、田辺と浅見』

 自分の名前が出て、ますますドキドキしてしまう。

 (なんで俺はこんなにドキドキしてんだよ)

 『三人でなんかわちゃわちゃしてる』
 『楽しそうだよねー』

 (そっか。周りには仲がいいように見えてるのか)

 俺と田辺がいるところに高槻が入ってきてしゃべってるだけ。連絡を取り合ったり、遊びに行ったことはない。

 『呼んだ?』
 『田辺くん、借りパクはやめてくださいー』
 『??』
 『俺の辞書返して』
 『あ!』
 『あ!じゃねーよ』

 グループトークに田辺が入ってきて、話題が変わった。俺は安心して、一旦グループトークを閉じる。そして、高槻とのトーク画面を開いた。そこは4月に連絡先交換をして、互いによろしくー!と言ったきりで会話が終わっている。

 (連絡してみる?)

 『やっほー! なにしてんの?』

 (いや、なんか違う)

 打った文を消す。

 『ヒマすぎてやばい』

 (いや、知らねーよ!)

 また、打った文を消す。

 『明日の体育ってさ、体育館だっけ? シューズいる?』

 (もうこれでいいや)

 送信マークをタップ。スマホを見つめたまま少し待ったが、既読はつかない。

 (……こない)

 日曜日だし、外出してて気づいてないのかもしれない。

 (まあ、すぐ返ってくるだろ)

 そう思ってベッドに倒れ込むけど、なんとなく落ち着かない。その後、ベッドでごろごろしているうちに眠ってしまい気づけば、夕ご飯の時間になっていた。

 (やばっ、寝すぎた)

 慌ててスマホをちぇっくする。グループトークに未読がたまっているけど、そっちは後回しで高丘とのトーク画面を開く。

 (みてるけど……)

 1時間前に既読はついていたが、返信はなかった。

 (なんで?)

 その日一日、何度もスマホを確認したけど、高槻からの返信はなかった。