竹早くんは恋愛メイクアップ

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長い睫にぱっちり二重、肌は白くそのすらっとのびる手足。誰がどう見てもイケメンと言うようなルックスを持つ男。
それは同じクラスの一軍グループに属している神野。

「ん、出来たか?」
  ヘアアイロンをしまい、仕上げのリップをそっとひと塗りする。その綺麗に整えられた髪。真っ直ぐ俺を見つめる瞳。
まるで絵本の中から出てきた王子様のようだ。
「うん。気に入った?」
俺が聞くと神野は深く頷き鏡を見た。
 今は俺が神野を独り占めしてメイクをしている。
「今日はいつもより気合い入れてるな」
鏡を見るのを辞めて急に俺の目を見つめてきた。思っているより距離が近くて少し焦ってしまった。
「え、あ、うん。実は昨日テレビで推しのアイドルがメイクをいつもより隠してたんだけどね、それがめっちゃくちゃかっこよかったの。特にねアイメイクがしっかり凝ってて、ハイライトから締め色になるまでのグラデーションが滑らかすぎて、、ごめん」
 まただ。いつもこうなってしまう。オタク癖の一種だろう。好きなことになると口が止まらない。反省したばっかなのに。
「なんで謝るの。好きなこと言えるのかっこいいよ」
 神野がにこりと笑いながら言った。
「うん。ありがと。」
あははと笑う神野を見ながらメイク道具を片付けていく。
「じゃあまた学校でね。」
神野は靴を履いてマンションを降りて行った。
ああやっぱ好きだな...。