「鳳せんぱーい!」
二時限目の休み時間。中学が同じだった後輩の女子たちに囲まれた。特に用といった用はないらしく、やいやい会話をしたら嵐のように去って行く。
何しに来たんだ、あいつら。と、思ったところで、窓側の席からめちゃくちゃ睨んできている夏目に気がついた。
あー、完全に怒ってんな。
「夏目!」
呼んでもふいっとそっぽを向かれる。あぁ?と思っているうちに、スマホにラインが届いた。
――なにが、鳳せんぱーい、だよ。デレデレしてんじゃねぇよ。
モデルみたいに涼しい顔をしておいて、俺のスマホに送ってくる文句はかなりめんどくさい。笑ってしまったら、また怒られそうだ。神妙な顔をして、俺はラインに返事を返す。
――デレデレしてねぇわ。俺のデレはお前限定だし。
――でも……さっきの子と同じ消しゴム使ってた。なんなの、匂わせしてんの?
け、消しゴムって……。たしかに一緒だった気がするが。
――匂わせしてねーわ。国民的文具メーカーだぞ、お前。
だいたいの人間がおんなじようなものを使ってるし、そんなん言い始めたら国民総匂わせだ。
数メートル先にいる夏目は、整った顔を伏せ、ミステリアスな雰囲気を醸し出している。みなさーん、こいつ、消しゴムの匂わせで怒ってますよー。
――夏目、ごめん。俺が悪かったって。消しゴムは違うのにするから。
――……俺がお前の使うから、お前は俺の消しゴム使って。
夏目からの返信に、「ぶふっ」と笑いを堪える。どんだけ消しゴムに拘るんだお前は。
――わかった。機嫌直せよ、夏目。どうやったら、笑顔になんの、お前は。
三十秒後、届いたメッセージ。
――鳳と一緒に帰りたい。
めんどくせーことを散々言うくせに、そんな簡単なことで笑顔になっちまうの、お前って。
澄ました顔をしてスマホを見ている夏目を今すぐ壁際に押しやって、乱暴にキスをする妄想を何度かした後、俺は『あいよ。一緒に帰ろうな』とメッセージを送った。
二時限目の休み時間。中学が同じだった後輩の女子たちに囲まれた。特に用といった用はないらしく、やいやい会話をしたら嵐のように去って行く。
何しに来たんだ、あいつら。と、思ったところで、窓側の席からめちゃくちゃ睨んできている夏目に気がついた。
あー、完全に怒ってんな。
「夏目!」
呼んでもふいっとそっぽを向かれる。あぁ?と思っているうちに、スマホにラインが届いた。
――なにが、鳳せんぱーい、だよ。デレデレしてんじゃねぇよ。
モデルみたいに涼しい顔をしておいて、俺のスマホに送ってくる文句はかなりめんどくさい。笑ってしまったら、また怒られそうだ。神妙な顔をして、俺はラインに返事を返す。
――デレデレしてねぇわ。俺のデレはお前限定だし。
――でも……さっきの子と同じ消しゴム使ってた。なんなの、匂わせしてんの?
け、消しゴムって……。たしかに一緒だった気がするが。
――匂わせしてねーわ。国民的文具メーカーだぞ、お前。
だいたいの人間がおんなじようなものを使ってるし、そんなん言い始めたら国民総匂わせだ。
数メートル先にいる夏目は、整った顔を伏せ、ミステリアスな雰囲気を醸し出している。みなさーん、こいつ、消しゴムの匂わせで怒ってますよー。
――夏目、ごめん。俺が悪かったって。消しゴムは違うのにするから。
――……俺がお前の使うから、お前は俺の消しゴム使って。
夏目からの返信に、「ぶふっ」と笑いを堪える。どんだけ消しゴムに拘るんだお前は。
――わかった。機嫌直せよ、夏目。どうやったら、笑顔になんの、お前は。
三十秒後、届いたメッセージ。
――鳳と一緒に帰りたい。
めんどくせーことを散々言うくせに、そんな簡単なことで笑顔になっちまうの、お前って。
澄ました顔をしてスマホを見ている夏目を今すぐ壁際に押しやって、乱暴にキスをする妄想を何度かした後、俺は『あいよ。一緒に帰ろうな』とメッセージを送った。



