***
「ただいま~」
俺は帰った時に誰かにただいまと言えるって少し幸せだなと思いながらアパートのドアを開けた。
「お帰り。今日は遅かったね」
「ああ、うん」
俺はねーちゃんの顔を窺う。
「何?」
「……功一さんと飲んだんだよ」
ねーちゃんの顔が複雑に歪められた。
「まあ、私とは別れたけど、功一は和希のこと可愛がってたからね」
「それが、浮気はねーちゃんの誤解だって言ってたよ? ねーちゃんが意識不明だって言ったら、涙浮かべて心配してた。ねーちゃんもさ、意識戻ったら、もう一度功一さんと話した方がいいんじゃね? 功一さんはまだねーちゃんのこと好きだよ」
「……」
ねーちゃんはしばらく黙っていたが、
「……分かった。話してみるよ」
ねーちゃんも本当は別れたことを後悔していたのかもしれないなと俺は思った。長年付き合っていた二人だ。俺としても家族同然みたいな感じだし、寄りを戻せばいいなと思った。
「ねえ、和希。話は変わるけど、あんたなんでこのアパートにしたの?」
「え? 安いからだけど」
ねーちゃんはうーんと唸った。
「安いかもしれないけど、ここら辺物騒だし、ベランダの前が公園なのに一階って、危ないんじゃない?」
「だから公園の方、金網はってあるし、大丈夫だよ~。俺男だし」
ねーちゃんはまだ納得していないようだったけれど、それ以上は言及してこなかった。言っても引っ越すだけのお金がないとわかっているからかもしれない。
「ただいま~」
俺は帰った時に誰かにただいまと言えるって少し幸せだなと思いながらアパートのドアを開けた。
「お帰り。今日は遅かったね」
「ああ、うん」
俺はねーちゃんの顔を窺う。
「何?」
「……功一さんと飲んだんだよ」
ねーちゃんの顔が複雑に歪められた。
「まあ、私とは別れたけど、功一は和希のこと可愛がってたからね」
「それが、浮気はねーちゃんの誤解だって言ってたよ? ねーちゃんが意識不明だって言ったら、涙浮かべて心配してた。ねーちゃんもさ、意識戻ったら、もう一度功一さんと話した方がいいんじゃね? 功一さんはまだねーちゃんのこと好きだよ」
「……」
ねーちゃんはしばらく黙っていたが、
「……分かった。話してみるよ」
ねーちゃんも本当は別れたことを後悔していたのかもしれないなと俺は思った。長年付き合っていた二人だ。俺としても家族同然みたいな感じだし、寄りを戻せばいいなと思った。
「ねえ、和希。話は変わるけど、あんたなんでこのアパートにしたの?」
「え? 安いからだけど」
ねーちゃんはうーんと唸った。
「安いかもしれないけど、ここら辺物騒だし、ベランダの前が公園なのに一階って、危ないんじゃない?」
「だから公園の方、金網はってあるし、大丈夫だよ~。俺男だし」
ねーちゃんはまだ納得していないようだったけれど、それ以上は言及してこなかった。言っても引っ越すだけのお金がないとわかっているからかもしれない。



