アレルヤ!

 お母さんは私の好きなように進路を選びなさいと言ってくれている。あの日のお父さんの言葉を聞いていたに違いない。私に我慢をさせたくないのだ。
 高校三年生の今、私は人生の分岐点に立っているのは確かだ。けれど、どの道を選ぶことが正解なのか分からない。自分の能力や適正なんてまだ分からない。やりたいこともよく分からない。
 でも私には弟の文人がいる。文人にはなるべく大学に行ってほしい。お母さんにも文人にも負担をかけない進路ってどれ?

 七月に入り、就職組は就職活動をし始めた。
 就職するなら私もスタートを切らないと出遅れてしまう。
 お父さん。私、どうすればいいの?
 お父さんの死の悲しみもまだ癒えてない。なのに進路も考えなければいけないなんて。
 焦るばかりで最良の選択が分からず、一日一日が重くつらい。
 何かをしないといけないのに、毎日成果がでないまま終わった。
 夜が来ると、明日が来るのが怖くなる。
 今度はお母さんが死んだら? こうして考えている私だって死んで意思も何もなくなるかもしれない。人はどうせ死ぬのになんで生きなきゃいけないの?
 考えても仕方ないことが冴えわたった頭の中でぐるぐると回り続けた。
 自分の未来に対して希望なんて持てなくなっていた。


 ……

「アレルヤ、アレルヤ」

 叶芽さんの歌が頭の中に流れる。目が覚めたのが先か、歌が流れたのが先か。
 朝になっていた。
 ふうぅと長い息がもれた。
 認めたくないけれど、この歌は私の息苦しさを楽にしてくれる。心の渇きが癒されるような、一筋の光が見えるような。