島で少女を探索
ヒッチハイクで日本一周見届け隊
2500回視聴
引き続き××県。ヒッチハイクを中断してフェリーに乗って島へ。とんでもない事件が起こった島だった?
--------
自撮りしながら乗船している。
デッキに出て海をバックに撮影。
「あのぉ。どんだけ小さな島かと思うじゃない。だってトラック野郎がさ、顔もわからない少女を探してみろっていうんだから。住んでいる人が少なければ、よそ者が来たら誰かが覚えてるんじゃないかって。でも観光の人もかなりいるし、見つかりっこないよ。ただぁ、こんな画もほしいじゃない」
ぐるりと海をカメラで映す。
「ひとまずさ、ネットで調べてみました。少女、捜索、島、だったかな。適当に。そしたら、この島でなんか事件が起こったらしくて。そういえば聞いたことあるよね。監禁事件。まさか、そんなことがあるなんてね。せっかく解放されたのにまたこの島に戻ってくるとか? ないよな。トラック運転手が乗せた子がその子だとは思わないけど。奇跡ってさ、そのためにある言葉なんだと思う」
ヒッチハイカーの男は上陸して手当たり次第に声をかけている。どうもかんばしい情報は得られない様子。
そんな中、ひとりの女性に食いついた。
「見て。村人発見。第10村人くらいだけど」
白髪交じりのゴワゴワとした髪が、丸まった背中を覆っていた。レースのフリルがついた花柄のワンピースは色あせてクタッとしている。何も持たず、どこへ行こうとしているのか、ただの散歩にしても、素足につっかけでは寒そうだった。
ヒッチハイカーの男は近づいていって肩に手を伸ばすが、何を思ったのかその手を引っ込めた。
「……すみません」
女性の前に回り込んでカメラを向ける。黒目だけがこちらを見た。日に焼けた肌が乾燥してしわが多いが、老婆と呼ぶにはまだ少し若いようにも見える。
「あのぉ……女の子を探してまして」
女性はカッと目を見開いて撮影者ににじり寄った。
「どこにいるの?」
撮影者はのけぞった。
「え? いや、だから、探してるんです」
「同じです」
「え?」
話がかみ合っていなかった。
「娘はうるう年に生まれたから」
「え?」
「隠されているんです」
「え?」
「知ってるんでしょう?」
「え? いえ、ごめんなさい。人違いでした」
ヒッチハイカーの男はカメラを回したままかけだした。
振り返ると女性が追ってきている。だが、つっかけではうまく走れず、その距離は広がるばかりだ。
足がもつれそうになりながら「待って」と声をかけてくる。
ヒッチハイカーは「ヤバイヤバイ」といいながら全力で駆け抜けていった。
「ヤバイ、方向まで見失った」
女性からは逃げ切ったが、見知らぬ土地でがむしゃらに走ったらどこにいるかわからなくなってしまったらしい。呼吸を整えつつ、カメラを左右に振っている。
すると学生服を着た男子生徒が声をかけてきた。高校生くらいだろうか。5,6人の集団で取り囲んだ。
「なに話してたんですか」
「え? さっきの人? 見てたの?」
「ロマンチックおばさんに声かけてる猛者がいるって」
学生たちはニヤニヤしている。
「オレのこと?」
ヒッチハイカーは苦笑いした。
「あのレースひらひらの人、ロマンチックおばさんって呼ばれてるの?」
「うん。何年か前まで人形を持ち歩いていたらしいんだけど、誰かが奪ったっていうウワサがあって。さらにヤバくなったって」
「マジか。マジで関わっちゃいけない人だったか」
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引き続き××県。ヒッチハイクを中断してフェリーに乗って島へ。とんでもない事件が起こった島だった?
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自撮りしながら乗船している。
デッキに出て海をバックに撮影。
「あのぉ。どんだけ小さな島かと思うじゃない。だってトラック野郎がさ、顔もわからない少女を探してみろっていうんだから。住んでいる人が少なければ、よそ者が来たら誰かが覚えてるんじゃないかって。でも観光の人もかなりいるし、見つかりっこないよ。ただぁ、こんな画もほしいじゃない」
ぐるりと海をカメラで映す。
「ひとまずさ、ネットで調べてみました。少女、捜索、島、だったかな。適当に。そしたら、この島でなんか事件が起こったらしくて。そういえば聞いたことあるよね。監禁事件。まさか、そんなことがあるなんてね。せっかく解放されたのにまたこの島に戻ってくるとか? ないよな。トラック運転手が乗せた子がその子だとは思わないけど。奇跡ってさ、そのためにある言葉なんだと思う」
ヒッチハイカーの男は上陸して手当たり次第に声をかけている。どうもかんばしい情報は得られない様子。
そんな中、ひとりの女性に食いついた。
「見て。村人発見。第10村人くらいだけど」
白髪交じりのゴワゴワとした髪が、丸まった背中を覆っていた。レースのフリルがついた花柄のワンピースは色あせてクタッとしている。何も持たず、どこへ行こうとしているのか、ただの散歩にしても、素足につっかけでは寒そうだった。
ヒッチハイカーの男は近づいていって肩に手を伸ばすが、何を思ったのかその手を引っ込めた。
「……すみません」
女性の前に回り込んでカメラを向ける。黒目だけがこちらを見た。日に焼けた肌が乾燥してしわが多いが、老婆と呼ぶにはまだ少し若いようにも見える。
「あのぉ……女の子を探してまして」
女性はカッと目を見開いて撮影者ににじり寄った。
「どこにいるの?」
撮影者はのけぞった。
「え? いや、だから、探してるんです」
「同じです」
「え?」
話がかみ合っていなかった。
「娘はうるう年に生まれたから」
「え?」
「隠されているんです」
「え?」
「知ってるんでしょう?」
「え? いえ、ごめんなさい。人違いでした」
ヒッチハイカーの男はカメラを回したままかけだした。
振り返ると女性が追ってきている。だが、つっかけではうまく走れず、その距離は広がるばかりだ。
足がもつれそうになりながら「待って」と声をかけてくる。
ヒッチハイカーは「ヤバイヤバイ」といいながら全力で駆け抜けていった。
「ヤバイ、方向まで見失った」
女性からは逃げ切ったが、見知らぬ土地でがむしゃらに走ったらどこにいるかわからなくなってしまったらしい。呼吸を整えつつ、カメラを左右に振っている。
すると学生服を着た男子生徒が声をかけてきた。高校生くらいだろうか。5,6人の集団で取り囲んだ。
「なに話してたんですか」
「え? さっきの人? 見てたの?」
「ロマンチックおばさんに声かけてる猛者がいるって」
学生たちはニヤニヤしている。
「オレのこと?」
ヒッチハイカーは苦笑いした。
「あのレースひらひらの人、ロマンチックおばさんって呼ばれてるの?」
「うん。何年か前まで人形を持ち歩いていたらしいんだけど、誰かが奪ったっていうウワサがあって。さらにヤバくなったって」
「マジか。マジで関わっちゃいけない人だったか」



