恋といえばあれとそれとこれ。

プルルプルルプープー
短い着信音の後、彼が電話に出た。
『もしもし…』
少し眠そうな、ぐだっとした感じの声が聞こえてくる。
そう、今日は初めて電話をする日。
(緊張する〜!)
何を話せばいいのか分からない。電話だから自分の顔を見られないのはいいことだが。
「あのっねっ……」
『何?』
話したかったことが一瞬にして脳内から飛ぶ。
(えっと何話すんだっけ……?)
私がオロオロしていると、電話の向こうで、
『どうしたの?大丈夫?』
という心配の声が聞こえてくる。私は焦る。
「今日のデート楽しかったなって!」
電話に向かって大きな声でそういう。
(また間違った…)
緊張したり、焦ったりすると大声が出てしまうのがよくないところだ。
『声でけぇ。告白のときもそうだったよな』
彼はけらけらと笑っている。
(わ、笑ってくれたー!)
私は嬉しくてその場で三回ほど飛び跳ねる。すると、
『またデートいく?』
と誘われる。私はそれに一切の迷いもなく、
「行きたい!」
という。すると、彼は電話の向こうでフッと笑って、
『じゃあ、今度はそっちがプラン決めて』
と言ってきた。今度は私の番。すごく楽しみ。
(お任せあれ!)
私は心の中でそう叫んだ。