あの時、キュンときた。

「やっほ…」
「あ…」
やっほと言ったのが失敗だったのだろうか。
反応がすごく微妙だ。
(入りから間違った…?)
私が怯えてビクビクしていると、彼はふっと笑う。
「なんでそんな怖がってるの?」
その質問に私は、
「…なんか、変?」
と答える。すると、彼は顔を真っ赤にする。私は、
「?」
分からないという表情を浮かべる。すると、彼は、
「だって今日の服…可愛いから……」
そう言った。今度は私が顔を真っ赤にする。私は何か言わなきゃと焦る。
そして、やっと出た言葉が、
「ありがとう!」
だった。
(昨日、今日のために頑張って選んでよかったぁぁ!)
私は心の中で泣き叫ぶ。全力で服を選んだ甲斐がある。今日はひらひらのついたブラウスと黒のプリーツスカート。
どちらもお気に入りの服だ。髪型は三つ編み。
「じゃあ、行こうか」
そう言って彼はさりげなく手を掴んでくる。
私はその手をぎゅっと握り返す。温かくて大きくて、優しい。心臓が高鳴る。
(手汗やばいかな……)
ドキドキでかちこちになってしまう。
でも、デートってこんなに楽しいものなんだと感じることができた。
(やっぱ好きだわ…)
私は心の中でそう思うのだった。