恋といえばあれとそれとこれ。

ふと横を見る。
好きな人が横に座っている。真剣な表情で黒板の文字を写している。
(今日も可愛いなぁ……)
なんて、言えるわけがない。確かに俺は男子の中でもモテる方(多分)だと思う。
でも、モテるのと自分が好きになるのは違う。
隣の席だなんて夢のようだけど、夢じゃない。
「あの、教科書忘れちゃって…見せてもらえますか?」
不意のそう話しかけられ、俺は驚きて心臓が飛び上がる。
(もちろんです!)
俺は心の中でそう叫ぶ。
「あ、いいよー」
現実だとこんな感じだが。
それより、俺の教科書を見つめる彼女の横顔が綺麗だ。
今まで見たどんな女子よりも綺麗に見えてしまう。これはおかしなことなんだろうか。
「……あの、ここってこれであってる?」
彼女がノートを見せながら、上目遣いでそう聞いてくる。わざとじゃないんだろうけど、可愛すぎる。
俺は急いで自分のノートを確認する。
「あってると思う。でも念のため他の人のも確認した方が…」
俺はおじおじとそう答える。自分の回答に自信が持てないのは事実だ。
「ありがとう!他の子にも聞いてみる」
素直にそう言った彼女は前の席の女の子に話しかけた。何かをひそひそと話して、笑っている。
(笑っている顔も可愛い……)
俺は恋という病に侵されている。