羽衣とゲームの話をしながら過ごす日々にも慣れてきた頃、陽のアカウントをふと覗きに行ったらものすごくフォロワーが増えていた。大バズり、というようなアクシデント的伸び方ではなく、着実に数字を伸ばして、日々配信を頑張っているようだった。チヒロとのコラボは毎週水曜というわけではなく完全に不定期で、僕の戻る場所はあるんだなと勝手に思ったりもした。
配信をしていると、『ユウキくん復帰したのにヨウくんとコラボしないの?』と聞かれたりもした。最初は少し気まずくて濁すようになっていたけど、最近ははっきり「今はソロ配信に力を入れたいから」と伝えられるようになった。半分言い訳だけど、半分は本音だった。自分がコメントをもっと上手く捌いて統率できるようになりたかったから。陽がいなくても、むしろ離れてから、配信者として立派になろうという感情は増してきた。陽のための、陽と過ごすための趣味じゃなくて、やっと自分の趣味になってきたのかもしれない。
その日、配信の準備をしていたら、メッセージアプリに通知が来た。
『優輝、しばらく返事できなくてごめん。話したいことがあって、時間取れる?』
陽からだった。心臓がバクバクした。話?話ってなんだろう。陽の方から話したいことなんて思い浮かばなかった。もし「縁を切ろう」って改めて言われたらどうしよう……そんな不安で胸が痛い。
送信取り消しされる前にすぐにでも返信しなきゃという気持ちと、配信を言い訳に後回しにして返事をしっかり考えたいという気持ちがあった。既読をつけずに、通知を長押ししてただ文字列を眺めた。
「あっ」
うっかり既読をつけてしまって、思わず即座にアプリを閉じたけど、もう遅い。こうなったらもう既読無視にならないように早めに返すしかない。
羽衣の「優輝を守るために距離を置いたとか」という言葉を思い出し、そのことを話したいのかもしれないし、とどうにか前向きに考える。それに何より、返事が来ない不安さを知っているから、それを陽に味わわせたくなかった。
『時間って、どのくらい?いま配信始めるところで……明日ならいいけど』
そう打ち込むと、即座に既読がついた。多分メッセージアプリを開きっぱなしだったんだろう。どんな気持ちで、メッセージ画面を眺めていたんだろう。少し前まで陽のこと全部わかった気でいたのに、数週間離れただけで、何もわからなくなってしまったみたいだった。
『今夜零時くらいに優輝の家行っていい?』
零時なら配信も終わってると思う。そこまでして急いで話したいなら、断る理由もないし……ないんだけど、怖かった。そんなに焦って話すことってなんだろう。『いいよ』とだけ、たった三文字だけ打ち込みたかったのに、手が震えた。
やっとの思いで打ち込んで、配信を開始した。その間に何かメッセージが来たらどうしようって思って、上手く集中できなかった。
「ごめん、ちょっと今日、考え事しちゃって」
上の空なことをみんなに謝ると、『いいよ』『疲れてるなら無理しないでね』というコメントで埋め尽くされた。
大丈夫、何があっても、僕の居場所はここにある。僕の味方がここにいる。羽衣だっていてくれる。そう再確認できて、すごくホッとした。
「みんな、いつも本当にありがとう。僕、配信がすごく楽しいんだ」
『ユウキの役に立ててるなら私たちも嬉しいよ!』
『急に何?引退とかしないでよ?』
少しだけざわつかせてしまって、ごめんごめんと謝る。
今日はなんだか中身のない配信だったけど、リスナーさんたちとたくさんコミュニケーションが取れたように思えた。満足して配信を閉じると、直後、チャイムが鳴った。
時間は零時になる十五分前。こんな時間に来るのは、あいつしかいない。
インターホン越しに「陽?」と声をかけると、「うん」とだけ返ってきた。扉を開けると、泣きそうな顔で立っていた。
「優輝、急だったのに入れてくれてありがとう」
「ううん。それよりどうしたの?」
どうにか冷静に振る舞う。思ったより動揺しないで済んだのは、僕より陽のほうが緊張している様子だったから。
陽はスマホを取り出して、アカウント画面を見せてきた。僕も知っている、配信用のヨウのアカウントだ。
「追いついた」
「追い……?」
「フォロワー数。優輝に追いついたんだ」
それがどうしたのか分からず、思わずキョトンとしてしまう。そんな僕を見て、陽はぽつぽつ話しはじめた。
「嫌だったんだ。優輝の方がバズって、フォロワーが伸びて、その時点でなんか、対等じゃない気がしちゃって。コメントがたくさん来るのも、知名度を借りてるみたいな気がしてたんだ」
「そんなこと」
そんなこと言うなら、そもそも陽の視聴者さんたちがいなければコラボ動画はバズらなかったし、それがなければ僕の動画もバズらなかったと思う。でも、そんなことを言いたいんじゃなさそうだった。
「一番嫌だったのは、謝らせたことだった」
「謝らせた?」
「ほら、ちょっと厳しいコメントが俺に来てたじゃん。それ、優輝が謝った時、俺すごいしんどかった。ただでさえ配信でもおんぶに抱っこなのに、そんなところまで気を遣わせて、申し訳なくて、苦しかった」
「ごめん」
「また謝るじゃん」
「……でも、ごめん」
想定外の、僕のとっさに発言した一言で、陽のことこんなに苦しめているとは思っていなかった。
「僕、あのときね、陽を守らなきゃって、そんなこと必死に考えてた」
「分かってるよ。何年の付き合いだと思ってるんだ」
「陽を傷つけないように、ソロ配信の時リスナーさんに注意したりもした」
そんなことしてたのかよ、と少し驚いた反応を見せた。
「僕のところに来るリスナーさんが陽にひどいことを言うのを、自分のせいだって、本当に本当に苦しかった。だから、謝らせてほしい。譲れない」
しばらく黙って見つめ合った後、陽が吹き出した。「頑固なやつ」と言って、けらけら笑った。久々に見た笑顔だった。もう無理しているような感じはしなかった。
「俺さ、ぶっちゃけ多少のキツイコメントは覚悟できてたんだよ。ていうか実際、優輝にめっちゃ寄りかかってる状態だったし。でも、そんなことどうでもよくて、そのことで優輝が俺に気を遣ってるのがマジで嫌で。コメントとか、俺が見ないようにしたりしてたろ?」
全部気づかれてたんだ。そりゃ、気を遣われすぎて逆に気疲れもするんじゃないか。
「それで……自分勝手だけど。優輝の隣に、自信を持って胸を張っていられる俺でいたくて、少し距離を置かせてもらったんだ」
でも、落ち着いて安心してきたらじわじわ腹が立ってきて、つい「だからって無視はないでしょ」とボソッとこぼすと、「ごめんな」と縮こまられた。
「優輝がよければ、俺と……コンビ再結成、してください」
「ダメなわけないよ……!」
感極まって陽に抱き着いて、ぼろぼろ泣いた。けれどこの涙は、どれだけ流しても辛くない。
「陽がいなくなって、陽と過ごす日々が一番楽しかったんだって実感できた。……でも……同時に、陽に依存しすぎてたなって自覚もできた。今までいっぱいべったりで、負担かけたよね。ごめん」
「え?何が?負担?」
……それは全然平気なんかーい!
「え、え?今までより距離置かれるってこと?寂しい……」
「置かない!置かないよ!こっちの心理的な問題!」
むしろ僕も、陽の言葉を借りちゃうけど、やっと自信を持って隣に立てるようになったと、そう思う。
「もう一個言いたいことあるんだけど、いい?……ついでみたいになっちゃうけど」
「は、はい」
もう一個?これで話は終わりかと思っていたのに。ここから縁切りとかは流石にないだろと分かっていても緊張が走り、何と無くお互い座り直して、背筋を伸ばした。
「いや、大したことじゃな……くはない。すごい大したことなんだけど、俺にとっては。」
「何……?」
「あの……大学で、新しい友達……」
「え?羽衣がどうしたの?」
「俺、あんま大学で優輝に話しかけない方がいい?」
なんでだよ。
「むしろ陽の話とか相談してたし、紹介したいよ」
なんで、距離置くときはあんなに勢い良くて身勝手なのに、戻るときそんな奥手なんだよ……。
とはいえ、小中高と大きな喧嘩をしたことがなかったので、陽の意外な一面ばかり見せられてかなり驚いた。いつもニコニコしていて、感情的に人と距離を置いたりするようには見えなくて。切るとしても、うまいことフェードアウトしているイメージというか……
「てか、見てたんだ、僕のこと」
「そりゃ……戻る場所なくなったかなって、ちょっと不安だった」
僕のセリフだよ。
「好きだから、優輝のこと」
……いま、なんて?……いや、いやいや!冷静になれ。友達として、に決まっている。
「あ、ありがとう」
「なんでお礼?まぁいいや、言いたいこと言えたし遅くなる前に今日は帰る!」
ぽかんとしている間に、陽はそそくさと帰る支度をして、遅くにごめんな!と出て行ってしまった。
一方で、僕は、せっかく陽と仲直りできたのに、嬉しさとは別の感情が胸を支配していた。好きって言われて、胸がギュウッとなって、ドキドキして……その後ちょっとだけ、切なくなって……
なんで、なんで?いつからこんな気持ちに?言いたいことだけ言って帰りやがって、ふざけるな……!
ずっと、確かに僕だって陽のこと好きだった。それが変な依存になって、今度はそれが落ち着いて、もっと純粋に……ちゃんと、隣にいたいって……
頭がぐつぐつ沸騰するみたいに熱くて、しばらく動けなかった。
例えば同じことを羽衣に言われても、こんな気持ちにはならないだろう。僕の気持ちは、ただの友達に向けるものじゃないこと、ただの友達に感じる感情じゃないこと。それを突然自覚させられてしまって、僕は……戸惑うことしかできなかった。
配信をしていると、『ユウキくん復帰したのにヨウくんとコラボしないの?』と聞かれたりもした。最初は少し気まずくて濁すようになっていたけど、最近ははっきり「今はソロ配信に力を入れたいから」と伝えられるようになった。半分言い訳だけど、半分は本音だった。自分がコメントをもっと上手く捌いて統率できるようになりたかったから。陽がいなくても、むしろ離れてから、配信者として立派になろうという感情は増してきた。陽のための、陽と過ごすための趣味じゃなくて、やっと自分の趣味になってきたのかもしれない。
その日、配信の準備をしていたら、メッセージアプリに通知が来た。
『優輝、しばらく返事できなくてごめん。話したいことがあって、時間取れる?』
陽からだった。心臓がバクバクした。話?話ってなんだろう。陽の方から話したいことなんて思い浮かばなかった。もし「縁を切ろう」って改めて言われたらどうしよう……そんな不安で胸が痛い。
送信取り消しされる前にすぐにでも返信しなきゃという気持ちと、配信を言い訳に後回しにして返事をしっかり考えたいという気持ちがあった。既読をつけずに、通知を長押ししてただ文字列を眺めた。
「あっ」
うっかり既読をつけてしまって、思わず即座にアプリを閉じたけど、もう遅い。こうなったらもう既読無視にならないように早めに返すしかない。
羽衣の「優輝を守るために距離を置いたとか」という言葉を思い出し、そのことを話したいのかもしれないし、とどうにか前向きに考える。それに何より、返事が来ない不安さを知っているから、それを陽に味わわせたくなかった。
『時間って、どのくらい?いま配信始めるところで……明日ならいいけど』
そう打ち込むと、即座に既読がついた。多分メッセージアプリを開きっぱなしだったんだろう。どんな気持ちで、メッセージ画面を眺めていたんだろう。少し前まで陽のこと全部わかった気でいたのに、数週間離れただけで、何もわからなくなってしまったみたいだった。
『今夜零時くらいに優輝の家行っていい?』
零時なら配信も終わってると思う。そこまでして急いで話したいなら、断る理由もないし……ないんだけど、怖かった。そんなに焦って話すことってなんだろう。『いいよ』とだけ、たった三文字だけ打ち込みたかったのに、手が震えた。
やっとの思いで打ち込んで、配信を開始した。その間に何かメッセージが来たらどうしようって思って、上手く集中できなかった。
「ごめん、ちょっと今日、考え事しちゃって」
上の空なことをみんなに謝ると、『いいよ』『疲れてるなら無理しないでね』というコメントで埋め尽くされた。
大丈夫、何があっても、僕の居場所はここにある。僕の味方がここにいる。羽衣だっていてくれる。そう再確認できて、すごくホッとした。
「みんな、いつも本当にありがとう。僕、配信がすごく楽しいんだ」
『ユウキの役に立ててるなら私たちも嬉しいよ!』
『急に何?引退とかしないでよ?』
少しだけざわつかせてしまって、ごめんごめんと謝る。
今日はなんだか中身のない配信だったけど、リスナーさんたちとたくさんコミュニケーションが取れたように思えた。満足して配信を閉じると、直後、チャイムが鳴った。
時間は零時になる十五分前。こんな時間に来るのは、あいつしかいない。
インターホン越しに「陽?」と声をかけると、「うん」とだけ返ってきた。扉を開けると、泣きそうな顔で立っていた。
「優輝、急だったのに入れてくれてありがとう」
「ううん。それよりどうしたの?」
どうにか冷静に振る舞う。思ったより動揺しないで済んだのは、僕より陽のほうが緊張している様子だったから。
陽はスマホを取り出して、アカウント画面を見せてきた。僕も知っている、配信用のヨウのアカウントだ。
「追いついた」
「追い……?」
「フォロワー数。優輝に追いついたんだ」
それがどうしたのか分からず、思わずキョトンとしてしまう。そんな僕を見て、陽はぽつぽつ話しはじめた。
「嫌だったんだ。優輝の方がバズって、フォロワーが伸びて、その時点でなんか、対等じゃない気がしちゃって。コメントがたくさん来るのも、知名度を借りてるみたいな気がしてたんだ」
「そんなこと」
そんなこと言うなら、そもそも陽の視聴者さんたちがいなければコラボ動画はバズらなかったし、それがなければ僕の動画もバズらなかったと思う。でも、そんなことを言いたいんじゃなさそうだった。
「一番嫌だったのは、謝らせたことだった」
「謝らせた?」
「ほら、ちょっと厳しいコメントが俺に来てたじゃん。それ、優輝が謝った時、俺すごいしんどかった。ただでさえ配信でもおんぶに抱っこなのに、そんなところまで気を遣わせて、申し訳なくて、苦しかった」
「ごめん」
「また謝るじゃん」
「……でも、ごめん」
想定外の、僕のとっさに発言した一言で、陽のことこんなに苦しめているとは思っていなかった。
「僕、あのときね、陽を守らなきゃって、そんなこと必死に考えてた」
「分かってるよ。何年の付き合いだと思ってるんだ」
「陽を傷つけないように、ソロ配信の時リスナーさんに注意したりもした」
そんなことしてたのかよ、と少し驚いた反応を見せた。
「僕のところに来るリスナーさんが陽にひどいことを言うのを、自分のせいだって、本当に本当に苦しかった。だから、謝らせてほしい。譲れない」
しばらく黙って見つめ合った後、陽が吹き出した。「頑固なやつ」と言って、けらけら笑った。久々に見た笑顔だった。もう無理しているような感じはしなかった。
「俺さ、ぶっちゃけ多少のキツイコメントは覚悟できてたんだよ。ていうか実際、優輝にめっちゃ寄りかかってる状態だったし。でも、そんなことどうでもよくて、そのことで優輝が俺に気を遣ってるのがマジで嫌で。コメントとか、俺が見ないようにしたりしてたろ?」
全部気づかれてたんだ。そりゃ、気を遣われすぎて逆に気疲れもするんじゃないか。
「それで……自分勝手だけど。優輝の隣に、自信を持って胸を張っていられる俺でいたくて、少し距離を置かせてもらったんだ」
でも、落ち着いて安心してきたらじわじわ腹が立ってきて、つい「だからって無視はないでしょ」とボソッとこぼすと、「ごめんな」と縮こまられた。
「優輝がよければ、俺と……コンビ再結成、してください」
「ダメなわけないよ……!」
感極まって陽に抱き着いて、ぼろぼろ泣いた。けれどこの涙は、どれだけ流しても辛くない。
「陽がいなくなって、陽と過ごす日々が一番楽しかったんだって実感できた。……でも……同時に、陽に依存しすぎてたなって自覚もできた。今までいっぱいべったりで、負担かけたよね。ごめん」
「え?何が?負担?」
……それは全然平気なんかーい!
「え、え?今までより距離置かれるってこと?寂しい……」
「置かない!置かないよ!こっちの心理的な問題!」
むしろ僕も、陽の言葉を借りちゃうけど、やっと自信を持って隣に立てるようになったと、そう思う。
「もう一個言いたいことあるんだけど、いい?……ついでみたいになっちゃうけど」
「は、はい」
もう一個?これで話は終わりかと思っていたのに。ここから縁切りとかは流石にないだろと分かっていても緊張が走り、何と無くお互い座り直して、背筋を伸ばした。
「いや、大したことじゃな……くはない。すごい大したことなんだけど、俺にとっては。」
「何……?」
「あの……大学で、新しい友達……」
「え?羽衣がどうしたの?」
「俺、あんま大学で優輝に話しかけない方がいい?」
なんでだよ。
「むしろ陽の話とか相談してたし、紹介したいよ」
なんで、距離置くときはあんなに勢い良くて身勝手なのに、戻るときそんな奥手なんだよ……。
とはいえ、小中高と大きな喧嘩をしたことがなかったので、陽の意外な一面ばかり見せられてかなり驚いた。いつもニコニコしていて、感情的に人と距離を置いたりするようには見えなくて。切るとしても、うまいことフェードアウトしているイメージというか……
「てか、見てたんだ、僕のこと」
「そりゃ……戻る場所なくなったかなって、ちょっと不安だった」
僕のセリフだよ。
「好きだから、優輝のこと」
……いま、なんて?……いや、いやいや!冷静になれ。友達として、に決まっている。
「あ、ありがとう」
「なんでお礼?まぁいいや、言いたいこと言えたし遅くなる前に今日は帰る!」
ぽかんとしている間に、陽はそそくさと帰る支度をして、遅くにごめんな!と出て行ってしまった。
一方で、僕は、せっかく陽と仲直りできたのに、嬉しさとは別の感情が胸を支配していた。好きって言われて、胸がギュウッとなって、ドキドキして……その後ちょっとだけ、切なくなって……
なんで、なんで?いつからこんな気持ちに?言いたいことだけ言って帰りやがって、ふざけるな……!
ずっと、確かに僕だって陽のこと好きだった。それが変な依存になって、今度はそれが落ち着いて、もっと純粋に……ちゃんと、隣にいたいって……
頭がぐつぐつ沸騰するみたいに熱くて、しばらく動けなかった。
例えば同じことを羽衣に言われても、こんな気持ちにはならないだろう。僕の気持ちは、ただの友達に向けるものじゃないこと、ただの友達に感じる感情じゃないこと。それを突然自覚させられてしまって、僕は……戸惑うことしかできなかった。
