ワンルーム、きみと小さな海をみる





────目が合った。




「たすけてください」

「人魚とか初めて見たわ」

「あの、この体勢キツくって、早くたすけて、」



網に絡まって浜辺に打ち上げられたってだけでも恥ずかしいのに。

早く抜け出そうともがいた結果、今のわたしは横向きに倒れて海老反りになっていた。




「うぅ、ぐすっ…」



やっぱり恥ずかしいし、あちこち痛いし、このヒトなかなか助けてくれないし!

躍起になったわたしがええいままよ!と網を掴もうとすると、止められた。




「待て、無理に外そうとすんなって」

「でも……」

「ほら、鱗ボロッボロじゃん。髪も絡まってるし。さてはお前、俺が来る前までに相当暴れたろ」



そう言って、男のヒトは自分の羽織っていた上着を掛けてくれた。

太陽に燦々と焼かれていた肌がほんのひと時の休息を得る。