「ちょっと壁ドンしてもらってもいい?」
「……こう?」
「もう少し近くにきて、首を傾けて……そう! そのままじっとしててね」
僕はペンを素早く走らせながら宇梶くんの顔を見上げた。
艶やかな黒髪は短く切り揃えられて清潔感がある。柳眉の下の両目は夜空を閉じ込めたようにキラキラしていた。
それにすっと筆で撫でたような鼻の高さがクールさを引き立てている。
もう最高じゃないか。
モデルのように整った顔が僕の眼前に迫り、あまりの美しさに呆けてしまいそうだ。絵画を飾る人の気持ちがいまならわかる。
この美しさをぇ年に眺めていたい。
でも僕はなんとか理性を取り戻し、ペンを走らせた。
「沢渡くん、これまだ続くの?」
宇梶くんの目元がわずかに赤くなっている。照れながら壁ドンするのもいいな。
うぶな感じがむずきゅんされてくれ、告白シーンの臨場感に合っている。
まさに僕のイメージする攻め様だ。
「その表情いただきます!」
僕が声を張り上げると宇梶くんは困ったように眉をハの字にしていた。



