一寸不愉快の松江の播摩

 ケンサクとカナタに連れられて新見の寝屋温泉に行ったことがある。日南から山を越えて行ったが、酷い道路だった。走り屋でも怖がるような道路だ。おそらく整備された道路があるように思う。道中、ケンサクは無免許なのにハンドルを握りたがった。カナタは抗不安薬の過剰摂取で車がフラフラ。仕方がないので私が運転した。二人とも静かにしていたが、それは私が二人を殴って気絶させたからだ。寝屋温泉についたものの彼らは起きなかった。心配になったので両者の体を揺すってみた。生の重みがなかった。まずいと思った私はケンサクと接吻し人口マッサージをした。彼は息を吹き返した。本気でやったのであばら骨が数本折れているかもしれない。カナタに接吻しようと彼を見たらスマホをいじっていた。何をしているのかと訊ねるとブランショの『文学空間』について調べていると言う。私はブランショもいいがヴァレリーもいいと勧めようとしたが、ケンサクが同じことを口走る気配がしたのでまた殴って気絶させた。