沙弥は立ち上がり窓に寄り、ブラインドから少し外を見ると、すぐ目の前の道路を、竜也ら三人が走っているのが見える。耳をすますと、口々に何かを叫んでいるのが分かる。
「望月さーん!」
年相応に聞こえない弱々しい声はリーダー、ネットレッドの竜也。
「望月ィ!!」
ただ叫んでいるだけにしか聞こえない荒々しい声はネットグリーンの淳。
「望月さん!!」
歳の割にはしっかりした口調は、ネットイエローの健太。
確かに彼らは自分を心配してくれている。それはありがたい事だとは思うけど、ここで『ありがとう』と素直に言えるほどかわいげのある性格だったら、きっと今ここにはいないだろう。沙弥はこの時ほど自分の素直でない性格を呪ったことはない。
黙って竜也の目の前に現れる。
「!? も、望月さん! 良かったぁ……」
「なに、そんなに慌ててんだ?」
「いえ、別に大した事じゃないんですけど……」
「心配……したんだよな、望月の事」
急に淳に話をふられた健太は少しビックリした様子だった。
「そうか、悪かっ――」
沙弥が言い終わる前に、光が、竜也達に向かって飛んできた。アンティウヌが竜也達の気配に気づき、再び攻撃をしかけてきたのだった。
『また来たのかいボウヤ達。今日こそちゃんと殺してあげようね』
「とりあえず皆さん隠れて下さい!!」
近所のブロック塀の陰に隠れた四人。そこで沙弥は先程神に言われた思い出した。
「 攻撃ゲーム得意な奴」
そう訊ねながらも、沙弥の目は淳を見ていた。淳の第一印象が、『学校をサボって、ゲーセンでシュミレーションゲームをやるような男』であったのは沙弥だけではない。ムリヤリ淳の左腕を取ると、淳の返答も待たずに青いボタンを押す。すると、先程と同じようにキーボードが現れる。
「おっ、な、何だコレ!!」
「『武器』だよ。最初は散弾銃あたりにしとくか」
不思議なことに、左腕で淳の左腕に触れていると、淳のキーボードで入力した文字が沙弥の目前のディスプレイに表示される。そして沙弥がエンターキーを押すと、淳の手に黒光りした散弾銃が現れる。
「コレであいつに勝てるかどうかは分からないけど、何もないよりはマシだろ」
沙弥にそう促され、散弾銃を持ったまま淳はブロック塀から飛び出し、アンティウヌの前に立った。
『ようやく武器の使い方を覚えたようだね。散弾銃ファイヤータイプか。だけどそんなんじゃアタシは殺せないよ』
「 望月さん。ファイヤータイプって?」
息をひそめて様子を見守る竜也は隣にいる沙弥に訊ねた。沙弥は淳の戦いの様子と、自分のキーボードで入力した文字を重ね見ながら、ブラインドタッチで情報を処理しつつ、竜也の言葉に返答をする。
「武器にも種類があった。俺はその中で散弾銃を選んだけど、その中にも氷とか、敵に合わせてタイプが選べるようになっていた。でも俺にはあのババアにどのタイプが有効か計算することはできない」
「計算ですか……案外想さんとかできそうな気がしますね」
「――できるよ」
自分の部屋でネットレンジャーのホームページにアクセスした想は、リアルタイムで公開されているたった今の戦いを見ていて、そう言った健太の言葉に返答をした。当然、先程の竜也、淳、健太三人の会話も聞いていた(読んでいた)訳で、六歳も年下の子供にこうも簡単に自分の心を見透かれてしまい、想は気が滅入ってしまっていた。
「望月さーん!」
年相応に聞こえない弱々しい声はリーダー、ネットレッドの竜也。
「望月ィ!!」
ただ叫んでいるだけにしか聞こえない荒々しい声はネットグリーンの淳。
「望月さん!!」
歳の割にはしっかりした口調は、ネットイエローの健太。
確かに彼らは自分を心配してくれている。それはありがたい事だとは思うけど、ここで『ありがとう』と素直に言えるほどかわいげのある性格だったら、きっと今ここにはいないだろう。沙弥はこの時ほど自分の素直でない性格を呪ったことはない。
黙って竜也の目の前に現れる。
「!? も、望月さん! 良かったぁ……」
「なに、そんなに慌ててんだ?」
「いえ、別に大した事じゃないんですけど……」
「心配……したんだよな、望月の事」
急に淳に話をふられた健太は少しビックリした様子だった。
「そうか、悪かっ――」
沙弥が言い終わる前に、光が、竜也達に向かって飛んできた。アンティウヌが竜也達の気配に気づき、再び攻撃をしかけてきたのだった。
『また来たのかいボウヤ達。今日こそちゃんと殺してあげようね』
「とりあえず皆さん隠れて下さい!!」
近所のブロック塀の陰に隠れた四人。そこで沙弥は先程神に言われた思い出した。
「 攻撃ゲーム得意な奴」
そう訊ねながらも、沙弥の目は淳を見ていた。淳の第一印象が、『学校をサボって、ゲーセンでシュミレーションゲームをやるような男』であったのは沙弥だけではない。ムリヤリ淳の左腕を取ると、淳の返答も待たずに青いボタンを押す。すると、先程と同じようにキーボードが現れる。
「おっ、な、何だコレ!!」
「『武器』だよ。最初は散弾銃あたりにしとくか」
不思議なことに、左腕で淳の左腕に触れていると、淳のキーボードで入力した文字が沙弥の目前のディスプレイに表示される。そして沙弥がエンターキーを押すと、淳の手に黒光りした散弾銃が現れる。
「コレであいつに勝てるかどうかは分からないけど、何もないよりはマシだろ」
沙弥にそう促され、散弾銃を持ったまま淳はブロック塀から飛び出し、アンティウヌの前に立った。
『ようやく武器の使い方を覚えたようだね。散弾銃ファイヤータイプか。だけどそんなんじゃアタシは殺せないよ』
「 望月さん。ファイヤータイプって?」
息をひそめて様子を見守る竜也は隣にいる沙弥に訊ねた。沙弥は淳の戦いの様子と、自分のキーボードで入力した文字を重ね見ながら、ブラインドタッチで情報を処理しつつ、竜也の言葉に返答をする。
「武器にも種類があった。俺はその中で散弾銃を選んだけど、その中にも氷とか、敵に合わせてタイプが選べるようになっていた。でも俺にはあのババアにどのタイプが有効か計算することはできない」
「計算ですか……案外想さんとかできそうな気がしますね」
「――できるよ」
自分の部屋でネットレンジャーのホームページにアクセスした想は、リアルタイムで公開されているたった今の戦いを見ていて、そう言った健太の言葉に返答をした。当然、先程の竜也、淳、健太三人の会話も聞いていた(読んでいた)訳で、六歳も年下の子供にこうも簡単に自分の心を見透かれてしまい、想は気が滅入ってしまっていた。


