第8話 ヘッドホンが転がした笑い
(牡羊座君♂x蠍座ちゃん♀)
新学期の一週間目、駅の改札横で、校庭に風が走っていた。ポケットの中で小さな振動が続き、二人の会話が途切れた。
交際が始まったばかりで、深紅は画面を見て「ごめん、ここで止まりそう」と困り顔。竣介は立ち止まり、鞄の中を探る。
助けになるのがヘッドホン。機械のことが苦手でも、二人なら何とかなる気がした。
二人が動き出すと、近くの友だちが「手伝う?」と声をかけてきた。竣介は「迷うより一歩だ」と返し、役割をぱっと分ける。
深紅は相手のそばから離れない、苦手そうな子の隣へ回って、やり方を静かに見せた。中心にあるヘッドホンは順番を守らないと失敗する。焦った誰かが先に触れてしまい、少しだけやり直しになりかけた。
そのとき竣介が「一回止めよう」と手を上げ、深紅が「ここから」と指で道を作った。二人の声は違うのに、向いている先が同じだった。終わったあと、友だちは「息ぴったりだね」と笑い、二人は同時に顔を赤くした。
深紅が靴ひもを結び直している間、竣介は周りを見回し、来週の予定を指で数えた。「会える日は少ないけど、短くてもいい」と言うと、深紅は「短いほど大事にする」と返して、目を合わせた。
深紅は歩きながら、ふとヘッドホンを見つめた。「これって、ただの道具なのにさ」と言いかけて止まる。竣介が「うん」と待つと、深紅は小さく笑い、「一緒に使うと、思い出になるね」と続けた。
帰り道、竣介は「次は深紅のやりたいことを先に聞く」と言った。深紅は少し考えてから、ヘッドホンを軽く振って合図する。「じゃあ、また一緒に使おう」。その一言で、二人の次の約束が、自然に浮かんだ。
【終】
(牡羊座君♂x蠍座ちゃん♀)
新学期の一週間目、駅の改札横で、校庭に風が走っていた。ポケットの中で小さな振動が続き、二人の会話が途切れた。
交際が始まったばかりで、深紅は画面を見て「ごめん、ここで止まりそう」と困り顔。竣介は立ち止まり、鞄の中を探る。
助けになるのがヘッドホン。機械のことが苦手でも、二人なら何とかなる気がした。
二人が動き出すと、近くの友だちが「手伝う?」と声をかけてきた。竣介は「迷うより一歩だ」と返し、役割をぱっと分ける。
深紅は相手のそばから離れない、苦手そうな子の隣へ回って、やり方を静かに見せた。中心にあるヘッドホンは順番を守らないと失敗する。焦った誰かが先に触れてしまい、少しだけやり直しになりかけた。
そのとき竣介が「一回止めよう」と手を上げ、深紅が「ここから」と指で道を作った。二人の声は違うのに、向いている先が同じだった。終わったあと、友だちは「息ぴったりだね」と笑い、二人は同時に顔を赤くした。
深紅が靴ひもを結び直している間、竣介は周りを見回し、来週の予定を指で数えた。「会える日は少ないけど、短くてもいい」と言うと、深紅は「短いほど大事にする」と返して、目を合わせた。
深紅は歩きながら、ふとヘッドホンを見つめた。「これって、ただの道具なのにさ」と言いかけて止まる。竣介が「うん」と待つと、深紅は小さく笑い、「一緒に使うと、思い出になるね」と続けた。
帰り道、竣介は「次は深紅のやりたいことを先に聞く」と言った。深紅は少し考えてから、ヘッドホンを軽く振って合図する。「じゃあ、また一緒に使おう」。その一言で、二人の次の約束が、自然に浮かんだ。
【終】


