学校帰りにムクドの前を通り過ぎると、偶然亮クンの友達がムクドにいるのが目に入り、僕はすぐに彼らのもとへと行ったのだった。
「ねぇ、なんで財前がいんの?」
「外を歩いていたら偶然君の顔がみえたから」
「そのまま帰ればよくない?」
「だってこの後亮クン来るだろうから、一緒に待ちたいじゃん~~」
「なんで分かるんだよ!」
この宝森雫クンというのは亮クンの親友ポジで、清々しいくらい裏表のない人間だった。
ここまでハッキリ言いたい事を言う人は初めて見るかも。
年齢を重ねれば重ねるほど人間関係は複雑になり、お世辞だったり、嘘でけむに巻いたり、本音とは程遠い態度をしてしまうものだ。
彼には全くそういうところがない。
正直好きなタイプじゃないけど、なぜか会話が途切れないんだよなぁ。
勉強する雫クンにちょっかいをかけていると、案の定亮クンと結人が現れたのだった。
二人は一緒に食べ物を頼みに行き、勉強会もいい感じに進んで……いたと思ったのに。
僕の目の前で結人が亮クンのほっぺに付いたソースを取ってあげたり、それに対して亮クンが顔を赤くさせたりして、イチャイチャし始めたのだ。
結人は亮クンが大好きだから分かるけど、亮クンはどうしてそんな表情――――
嫌な予感がして、胸が騒めき、居ても立っても居られなくなり、トイレに行った亮クンを追いかけた。
「亮クン、いた~~なかなか戻らないから大丈夫かと思って」
「心配かけてごめんね。ちょっと時間かかっちゃって」
ウソ、結人とのやり取りで物凄い動揺していたのがバレバレで、隠し切れてない。
頬や首がまだ赤い。
亮クンの白い肌は赤くなるとすぐに分かる。
でも……動揺させたのが自分じゃなくて、ちょっと気に入らないな。
僕がじーっと見つめていると不安になったのか、その場を去ろうとするので彼の腕を引いてトイレの個室に連れ込んだ。
鍵を閉め、二人きりの状況を作る。
このまま君を閉じ込めてしまえたらいいのに。
「駆流クン……?」
