「はい」
これは、あーんをしてくれる、という事か?!
胸の高鳴りを抑えながら控えめに口を開けて、チョコを入れてくれるのを待つことにした。
「……ん」
遠慮がちにチョコを口に運ぶ亮の指――――自分の指とは違い、細くて綺麗な指だ。
彼の体温で少しチョコが溶けてきているのが見えて、亮の手首を掴んで引き寄せ、指ごと口の中へ銜えた。
「ちょっ……結人!」
口の中に入れられたチョコはすぐに溶け、愛しい彼の指も一緒に舐めていく……動揺する幼馴染は小刻みに震え、羞恥に耐えているように見えた。
そんな幼馴染の姿を一瞬たりとも逃したくないと脳に刻み込むため、彼の一挙手一投足をジッと見つめる。
頭のてっぺんからつま先まで真っ赤になってそうだな。
可愛い……プルプル震えて……このまま全部食べてしまいたい。
最後に指に吸い付き、唇を離すと、
「………………っ……結人……」
弱々しくも甘い声が幼馴染の唇から漏れ出たのだった。
これは色々とマズい。
「わり。これ、先に部屋に持って行くわ」
「ん……お願い」
何とか平静を装い、お菓子を乗せた皿を持ちながらその場を後にした。
でも――――あの声は反則だろ…………よく耐えたな、俺。
部屋に戻る前に気持ちを落ち着かせねーと。
階段で色々な気持ちと葛藤する。
亮に意識してもらうために色々と行動をしているが、木乃伊取りが木乃伊になりそうな気がして、自分に活を入れた。
アイツを困らせたいんじゃない。
しっかりしろ、自分。
何度も深呼吸を繰り返し、ようやく体の熱も落ち着いてきたので階段を上った。
部屋の中から駆流の大きな声が聞こえてきて、駆流が声を荒げるなんて珍しいなと驚きながら、中へと入っていったのだった。
