僕と幼馴染のままならない関係



 亮があんまり嬉しそうに言ってくれるから、勘違いしそうになる。

 高嶺家の人たちの中にいると、自分がそこにいてもいいんだと思えるんだ。

 それが嬉しくて、少しこそばゆくて、日曜日の勉強会が楽しみになった。

 しかしそこには宝森という手強い強敵が増えていて……宝森と駆流が亮に近付き過ぎないか、常に目を見張らなければと思っていたが、思いの外宝森が駆流のことを管理している様子にホッと胸を撫でおろす。

 
 「俺は亮(推し)の勉強を応援してるんだ。とにかくお前は俺に聞け」

 「ひーん」


 ナイスだ、宝森。

 少し休憩しようという話になり、俺と亮はキッチンへ――――そこにはおばさんが用意してくれていた一口チョコがあった。
 
 
 「結人の好きなヤツじゃん」
 
 「ホントだ。さすがおばさん」


 おばさんもだけど、亮も覚えててくれたんだな……俺の好きなもの。

 こういう何気ない気遣いが本当に嬉しい。なんで中学生時代にこの家に行くのを止めてしまったのだろう。

 俺が勝手に拗れていなければ、あのまま亮とも仲良くいられたし、どうして再婚女が来た時に高嶺家に助けを求められなかったんだろうか。

 母さんが生きていたら、

 『バカね、結人は。すぐにいじけるんだから』

 って笑っていたに違いない。

 俺って本当にバカだな……そんな事を思っていると、亮が一口サイズのチョコを俺に向けて差し出してきた。