「結人なら先生にもなれそうだよね。今も教え方上手だったし、奏斗くんとも仲が良いから年下の子に慕われそう」
先生……それは考えた事もなかった。
昔から頭だけは良かったから何かに活かせねーかなと思った時もあったけど。
中学生時代の先生には恵まれていたのか、先生に対して嫌なイメージは持っていない。
親父や再婚女みたいに、正直大人は信用出来ない部分がある。
でも自分自身が信用出来る大人になる事で、俺みたいに家庭に問題がある子の相談にも乗ったり出来るだろうか――――
亮の放った言葉は、彼にとっては何気ない言葉だっただろうけど、俺の心に小さな、でも確かな火を灯したのだった。
そんな事も知らず、幼馴染は可愛らしくバーガーを頬張っている。
「俺も食う」
「おけ。はい」
無防備だな……少しは意識しろ。
少しだけ意地悪な気持ちが湧き、彼の腕を引き寄せ、そのままバーガーを頬張った。
わざと亮が食べた部分をパクリと口に含む。
「ん、んまい」
間接キスを意識してるのは俺だけだと思うが、お前も俺が食べた部分を食べればいい。
バーガーを味わっていると、幼馴染の頬にソースがついている事に気付き、それを手で拭って口に含んだ。
「ふっ、ソースついてる。食べるのに夢中すぎ」
可愛いなぁ……小学生の頃みたいだ。
これが恋人同士で周りに野郎がいなければ、俺が直接舐めてやれたのにな。
あんまり無邪気なので邪な気持ちがむくむくと湧いてきてしまう。
しかし顔についているのが恥かしかったのか、亮が突然立ち上がり、トイレに行ってしまうのだった。
ちょっといじめ過ぎたか?
直後に駆流が「僕も~~」と言って席を立つ。
亮がいなくなった後、俺の隣りには真司と呼ばれている男がいて、こちらをジーッと見つめてくるので反応に困り、言葉を返した。
「…………なに?」
「…………いや」
「?」
