僕と幼馴染のままならない関係


 電車を降りて15分ほど歩くと住宅街に入り、自宅が見えてくる。

 特に部活に入る予定もないので真っ直ぐに帰宅したけれど、まだ日照時間が短めなのでもう夕日が沈んできていた。

 ふと視線を上げると、自宅の前で誰かが立っている。

 そのシルエットは今日学食で見た人物を模っていて、すぐに懐かしい人物だと認識する。


 「結人……!」

 「………………」


 やっぱり隣に座っていたのは結人だったんだ……!

 夕焼けを背に受け、金髪やピアスが煌めいている。

 小学生の頃から何センチ伸びたのか分からないほど大きくなった体に鋭い眼光、不覚にもその全てが綺麗だと思ってしまう。

 しばらく沈黙が流れていったけれど、あまり嫌な感じがしない。

 言葉を発したら結人が去っていきそうで、言葉が出てこないでいると、向こうから話してくれたのだった。


 「なんでお前がウチの高校にいるんだ」

 「なんでって、おじさんに偶然会った時に、結人がそこを受験するって聞いたんだ。だから……」

 「チッ。余計なこと言いやがって……お前も金魚の糞みてー」


 僕を嘲るような笑みを浮かべている幼馴染を見て、何を言われたのか一瞬分からず、上手く言葉が出てこない。

 何でそんな事言うんだよ……これ以上否定の言葉を聞きたくないのに、目が離せない。

 目深の髪と眼鏡が素顔を隠してくれて良かった。

 きっと今、酷い表情をしているに違いない。


 「俺に関わるな。学校でも声をかけてくるんじゃねぇ」
 

 そう言い残して自宅から反対の方へ歩いていってしまう。


 「結人、どこに……」

 「お前には関係ねーよ」