僕と幼馴染のままならない関係


 なんなんだ、この馴れ馴れしい女は……ほとんど話した事はない(と認識している)のに、彼女気取りかよ。

 委員会に行く時も腕を絡ませきて、親し気な雰囲気を醸し出してくるので腕を振り払う。

 はぁ…………亮はもう帰っただろうか……これがアイツなら嬉しいだけなんだけどな。

 いや、もし亮が腕を組んできたら、そのまま引き寄せて我慢出来なくなるから危険だ。

 委員会のある教室に着くと、すぐに幼馴染の頭を確認し(正確には亮の頭しか視界に入っていなかった)、すぐに声をかけた。


 「亮?」
 
 「結人!」


 幼馴染の周りだけ輝いて見えるのは、俺の目にフィルターがかかっているからか?

 眼鏡をして前髪も長くしているので彼の目は見えないが、頬をほんのり赤く染め、喜んでくれているのだけは分かる。

 一緒の委員会だったとは……ラッキー過ぎる!!

 絶対休まず出席する決意を胸に刻もう。

 体育祭実行委員はかなりの頻度であったので、バイトの日でも放課後に亮に会える機会がグッと増え、かなり浮かれている自分がいた。

 しかし委員会では上級生に色々頼まれたり、一年生の作業では女子に囲まれる事が多く、なかなか亮と話す事が出来ない。

 あまりにも会話出来ないので、プログラムを作成する作業でさり気なく話そうと試みた。
 
 
 「亮、ここなんだけどデザインに悩んでて……」


 しかし俺の気持ちはあえなく玉砕し、亮のクラスの女子を推されてしまう。
 

 「それなら真衣の方が得意なんじゃない?」

 「え、あ、なに言ってるの亮は!」

 「だって絵とか得意でしょ」


 真衣?亮?いつの間に名前呼びする仲になったんだよ。

 それにそんな女の情報なんてどーでもいい……女を俺に推すな。

 俺が好きなのはお前なんだよ……!!!
 

 「僕、こっちで作業してるから」

 「…………分かった」


 しかしそんな事を言えるはずもなく、愛する幼馴染は引っ込んでいってしまうのだった。

 前はあんなに積極的に声をかけてきたのに、なんで引いちまうんだよ……また俺から離れていく気なのか?

 それだけは絶対許さない。

 くそッ……――――……その後の作業の事は、正直あまり覚えていない。

 最愛の幼馴染は他のクラスの男子と笑いながら話していて、俺の気持ちはぐちゃぐちゃだった。

 亮の肩に腕をまわしているヤツもいるし、捻り潰してやりたくなる。

 仄暗い気持ちと煩悩に支配されながら作業を進めていると、いつの間にか終わりの時間になっていた。

 帰る準備を進める俺の横を亮が通り過ぎて行くので、咄嗟に呼び止める。
 

 「亮!……待てよ」


 振り返った幼馴染が尊すぎた件。

 周りの女子たちを黙らせる為とは言え、亮の肩を抱いて見せつけた。