それでも2人がくっついているのを見るのは耐え兼ね、引き剥がすと、俺に向かって物凄い勢いでブーブー言ってくる。
弟も亮も可愛すぎて、可愛いが渋滞してるな……なんなんだ、これ。
そんな良い雰囲気をぶち壊すような、あの女の言葉が突如放たれた。
「あのー……結人くんがいつもお世話になってます。何かご迷惑をおかけしてませんか?」
親父と再婚した女……コイツの言葉におばさんがとても驚いている。
この女が来てから家には俺の居場所はなくなった。
親父に取り入り、俺の事を悪く言い、わざと俺なしで仲良くする姿を見せつけてきたりする。
こんな家に少しでも居たくなくて駆流の家にいさせてもらったり、外で時間潰したりしていた中学時代。
高校生になり、亮と再会しておじさんおばさんとも再会し、昔のようにまたあの頃みたいに戻りたいと思い始めていたが…………おばさんにこんな事言わせて……俺ってダセェな。
高嶺家の皆にこんなとこ見せたくなかったのに――――
「この通り素行が悪くて困っていたので……良かったね、正彦さん!」
「あ、ああ」
「このままいい子に育ってくれればいいんですけど。亮くんみたいな子がそばにいてくれたら安心です!」
再婚女の口が止まらず、サラッと俺をディスっていく。
もうやめろ……それ以上言わなくてもいいだろ……そろそろ高嶺家の皆を帰そうと思った瞬間。
「あの!結人は昔から良いヤツですし、今も良いヤツですけど?僕たちの方が結人の事、よく知ってますし、そんな事言わなくても結人はちゃんと出来るヤツです!」
亮が顔を赤くして反論した。
普段は人に言い返したりしないのに。
そして畳みかけるようにおばさんからも反論が放たれる。
「もし彼の素行が悪くなってしまったのだとしたら、あなた方大人に原因があるのではなくて?加奈の子供を侮辱しないで。今もとても素晴らしい子よ」
「それは家での彼を知らないからぁ……」
「だから家が良くないって言ってるんです」
おばさんがピシャリと言い、再婚女は黙ってしまった。
俺はずっと自分の味方はどこにもいないと思っていたけど……自分で見ていなかっただけで、こんなに近くにいたんだな。
泣きたくなる気持ちを堪え、誤魔化すように笑い飛ばした。
彼らが帰った後、俺の部屋に突然親父がやって来た。
「結人、お前の口から聞きたい」
「……なに」
「お前と玲奈の間に何があるのか」
