何より僕に行ってほしくないって懇願しているのが手に取るように分かったし、僕しかいない……そんな風に甘えてくるアイツが本当に可愛くて大事だったから、いつまででもそばにいてやりたかった。
『行くわけないだろ?ずっとそばにいるから。大丈夫だから』
そう約束した。
それなのに――――
中学受験をした事で一緒の中学に通う事が出来なくて。
母さんと話し合って、自分で決めた事だけど……身を切られるような気持ちになった。
結人は卒業式のあと、人目もはばからず寂しいって泣いてくれたのが凄く嬉しかったな。
『なんで違う中学なんだよ~~うぅっ』
『ごめんな。母さんと約束した事があって……毎日RINEするから!』
『RINEだけじゃなくて遊びに来てよぉ!家近いんだし!』
『分かった、遊びに行くよ』
泣きじゃくるアイツの頭を撫でながらした約束……でも毎日していたRINEはだんだんと返信がこなくなり、既読もつかなくなって……お互い忙しいから仕方ないと思いつつ、アイツの家から足が遠ざかってしまい。
でも高校が同じならまた仲良くなれると思って、この高校を選んだんだ。
今は体型も逆転しちゃったし、もう守ってあげるような存在じゃなくなってしまったけれど、また昔みたいにバカな事を言って笑い合いたいだけだったのに。
「お前は違ったっていうのか」
ポツリと呟いた言葉は、電車の音にかき消されて消えていった。
