「ん――……エビのヤツにしようか、フィッシュの方にしようか迷い中」
「フッ。昔から魚系好きだったな」
「……どうせ進化してませんよー」
「ははっ、餅みてー」
「ひゃめてよ(やめてよ)」
僕がぷっくり膨らませた頬を結人がつまみながら、声を出して笑う……なんだろう、昔に戻ったようでそうじゃないような。
凄くこそばゆくて、幸せなやり取り。
眼鏡と前髪が長くて良かった――――多分顔が赤くなっているに違いない。
「結人は何にするの?」
「俺はポテトだけにすっかな……あんま腹減ってねーから」
「そうなんだ?じゃあセット半分こしよう。僕も夕飯近いから少な目にしたいし」
「おけ」
他愛無い会話が楽しい。
こんな普通のやり取りが、その内当たり前になっていけばいい。
そんな事を考えながら頼んだものを受け取り、席に戻ったのだった。
僕の両隣りは真司と結人が座り、向かいには雫と駆流クンが座っている。
「雫、ここってどうやるの?」
「どれどれ……」
僕が数学で分からない箇所を雫に聞くと、突然隣りの結人がそれについて的確に答えてくれたのだった。
「え……すご!久楽って頭いいんじゃん?!」
「凄いよ、結人!学校来てない時もあるのに……塾でも通ってるの?」
「いや……昔からこんなんだ」
「コイツ、ホントにムカつくくらい何もしなくても頭いいの。やんなっちゃうよね~~僕なんてこの高校に行くのにめちゃくちゃ頑張ったのに、結人はほとんど勉強してないんだよ。世の中不公平だ」
駆流クンが中学時代の結人について話しながら、ガックリと肩を落とす。
僕は笑いながらも驚きを隠せずにいた。
小学校時代も成績いいなと思ってはいたけれど……こんなに頭がいいなら、将来も色んな選択肢がありそうだ。
