僕と幼馴染のままならない関係


 母さん達はそんな会話をいつもしていたそうだ。

 同じ幼稚園に入り、常に一緒に遊んでいた。

 結人は僕の後ろをついてきては服の裾をちょこっと握っているのが可愛い男の子だった。


 『りょうちゃ……まって』

 『ゆいちゃ。ぼく、ここいるから、らいじょぶ』


 まだ言葉も上手く話せないくらいの年齢から、僕がそばにいてやらないとって思ってた気がする。


 『結人くんは、亮くん以外とも仲良く遊んでみようか』


 幼稚園の先生にそう促されると、結人は大泣きして『りょうちゃといっしょ――!!』ってしがみついていた。

 
 『ゆいちゃ、なかせちゃ、めっ!』

 
 僕も先生から結人を守ろうとしていたりして、結局僕と結人を引き離す事は無理だと悟った先生たちは、ずっと同じクラスで通わせてくれたのだった。

 小学生の間は僕の方が背も高かったし、結人はあまり口数が多くなかったから、特に僕がそばにいないとって思っていたなぁ。

 アイツのお母さんが亡くなった時も……泣き疲れるまでそばにいたっけ。

 あの時の結人は本当に消えてしまいそうなくらいショックを受けていたし、結人には奏斗っていう弟もいて、2人が悲しくならないように明るく振舞っていた自分を思い出す。

 学校にも行かず、引きこもりがちになった結人の家に僕も入り浸り、二人のそばにずっと寄り添っていた。

 結人が泣きながら僕に、
 

 『亮は、学校に行かないの?』


 そう聞いてきた幼馴染の瞳には悲しみと絶望が入り交じり、こんな状態の親友を置いて学校に行けるはずもなく。