僕と幼馴染のままならない関係


 結人の家に向かっている最中も結人は終始無言で、自宅が近付くにつれ徐々に表情も硬くなっていく。

 どう見ても来てほしくなさそうに見えるけど、どうしてだろう。

 昔は頻繁に行き来していたし、おばさんが亡くなったあとも家族仲は良さそうだったのに。

 久しぶりに彼の弟の奏人くんにも会いたいし、僕としてはとても楽しみだった。
 
 すぐに着いてインターフォンを鳴らすと、若い女性の声がしてくる。


 「今のは……」

 「親父の再婚相手だ」

 「そ、そうなんだ」

 
 「若い感じね~」


 母さんが思っていた事をストレートに言ってしまう。

 なんだか結人が再婚相手の事を歓迎していない雰囲気を感じるのは気のせいだろうか……この時の僕の杞憂は、すぐに現実のものになっていく。

 扉の中からパタパタと走ってくる音が聞こえてきて、玄関の扉が開かれると、そこには懐かしい結人のお父さんと弟の奏斗くん、そして若い女性が立っていた。
 

 「……ただいま」

 「おかえり、結人!それに高嶺家の皆さんもご無沙汰しています」


 優しそうな結人のお父さんが、昔のように笑顔で挨拶をしてくれる。

 
 「亮クン、こんばんは!久しぶり~~」

 「奏斗くん!こんばんは!大きくなったね~~」


 奏斗くんは挨拶をしてくれると、サンダルをはいて僕の懐に飛び込んできた。

 まだ中学2年生かな?

 背が伸びている最中なのか……身長が同じくらいになってる。

 僕はそれほど高くはないので、すぐに追い抜かされてしまいそう。

 奏斗くんの柔らかい髪の毛を撫でながら、久しぶりの再会を喜び合った。